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日本株市場、10月の冷え込み…からの「劇的な回復」が期待されるワケ

日本株の「黄金期」へ

10月の日本株

8月末に安倍晋三前首相が辞任を表明、その後、安倍政権を継承する菅義偉首相が誕生した9月の日本株市場は底堅く推移した。同月は、米国の株式市場が総じて調整していた中で、日本株はほとんど下げなかったのである。

日米の相対株価(TOPIX/S&P500)は、8月まで史上最も低い水準まで低下していた。2020年3月後半から米国株が反転したが、日本株は米国株の上昇に追随できず、大手ハイテク銘柄を中心に米国株の一人勝ちの様相となっていたからである。

ただ、大統領選挙が近づく中で9月に米国株はやや調整したが、一方で日本では予想外の首相交代が起きて、新政権への期待が日本株への期待を高めたと見られる。そして、低下していた日米相対株価は9月に上昇した。

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ただ、10月に入り日米株式市場の様相は再び変わった。調整していた米国株が再び反転したが、日本株はその動きに追随できずやや調整している。日米相対株価指数は10月中旬には9月初旬と同様の水準まで低下しており、日本株と比べて米国株が優位な状況にまた戻った格好である。

菅政権誕生前後に高まった日本株への期待が、10月に鎮静化した要因はいくつかあるだろう。一つには、菅政権への期待を表す政権支持率の動きである。日米相対株価は9月末から低下したが、これは日本学術会議問題がメディアで報じられた時期と重なっている。偶然かもしれないが、政権発足直後には高かった支持率を低下させる一因となった事案によって、投資家の日本株への期待が低下した可能性がある。

政権発足直後は、早期解散とともに経済政策発動への期待が特に外国人投資家にはあった模様だが、実際には解散総選挙を2021年に先送りする方向に菅政権は動いたとみられる。一部の外国人投資家などは、これをみて日本株に対する前向きな投資判断を保留して、総選挙というイベントがない中で菅政権が繰り出す政策を見定めようと考えている可能性がある。