どうしてもブラッシングを嫌がる場合は?

とはいえ、中にはどうしてもブラッシングを嫌がる子もいるだろう。うちの猫もブラッシングが嫌いで、ブラシをかけようとするとブラシや手を噛んで嫌がっていた。毛玉がひどくなり、ライオンカットしたこともある。

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しかし最近では、ごほうびであるおやつをうまく使うことで、日常的なお手入れが簡単にできるようになり、毛玉や抜け毛で悩まされることがかなり減った。

ブラッシングが終わったらおやつをあげている、という方は結構多いかもしれない。でも今度から、ブラッシングが始まる前から終わるまでずっと、おやつをあげてみて欲しい犬や猫は、その行為が終わったあとで「おやつ=ご褒美」をもらっても、なにに対する報酬だか分からないことも多いそうだ。

それに嫌がるところを無理に押さえつけてブラシをして、汗だくになりながらおやつをあげるより、ゆっくりおやつを食べてもらいながら、その間にブラッシングをする方がお互い快適で心地よい時間が過ごせるだろう。これには、液体タイプのおやつが向いている。

私の動物病院では、猫を連れて来院してくれた方に、小さなシリンジの先をカットしたものをプレゼントしている。ここに液体タイプのおやつを詰め、少しずつあげながらブラッシングをすると、簡単にブラッシングができる。

これの良い点は、袋のままおやつをあげるより、片手での操作が楽だということだ。あまりに食いしん坊で、袋のままあげると袋を噛んであっという間に食べ切ってしまうような猫にも、少しずつ加減しながらおやつを与えることができ、またあまり量を与えなくても長い時間その場に留まってもらうことができる。自由自在に猫の顔動かすことができるので、例えばシリンジの高さをあげれば、長毛種では絡まりやすい顎の下や耳後ろのブラッシングも容易だ。

もともとは、これを使っておやつをあげる習慣を作ることで、投薬が必要になった時も、何の疑問を感じずにお薬を飲んでもらうことを狙って使い始めたのだが、使っているうちにブラッシングにとても最適だと気がついた。

来院した方に渡しているシリンジ。おやつを詰めるとこんな感じ。投薬にも使える。写真提供/片川優子
「てんむす」にシリンジでおやつをあげながら、ディシェダーをかけているところ。写真提供/片川優子

こういったものが手に入らない方は、ペットショップでペットの投薬用シリンジを買ってきて先をカットして、カット面をなめらかにするためにライターで少しあぶるか、牛乳パックを使うのもおすすめだ。

使用済みの牛乳パックを切り開き、内側だった面におやつをぬりつけ、じっとブラッシングをしてくれているときだけおやつをあげる、という方法だ。こちらは食いしん坊だとあっという間にすべてなめとってどこかへ行ってしまうこともあるが、家にあるもので簡単にできるのでぜひ一度試してみて欲しい。

猫におすすめのやり方を紹介したが、最近では犬用の液状おやつもかなり売られている。ポイントは、「ブラッシングの最中もずっとおやつをあげつづけること」なので、いろいろ工夫してみてほしい。

ちなみに、まだ子犬・子猫のうちは、ふわふわで毛も生えそろっていないため、からまったり毛玉ができたりすることは稀だが、ブラッシングは歯磨き習慣と同じだ。小さい頃からコミュニケーションの一環として習慣づけておくことをおすすめする。