獣医師で作家の片川優子さんによる連載「ペットと生きるために大切なこと」。季節に応じて、ペットの健康状態やケアも変わってくるもの。この連載では、獣医師ならではの視点で、ペットオーナーが知っておくべき情報を片川さんが執筆。今回は、この時期、めちゃくちゃ掃除が大変になる「ペットの抜け毛問題」についてお届けする。

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毛皮の種類は二種類ある

ペットと暮らしている人にとって、寒くなると気になってくるのは愛犬愛猫の抜け毛問題ではないだろうか。

プードルやマルチーズなど、毛がずっと伸び続ける「シングルコート」の犬種ならともかく、ダックスフンド、チワワや柴犬など、季節によって毛が生え変わる「ダブルコート」の犬種、そして猫なども抜け毛が気になる季節だろう。

我が家も長毛の中型犬と長毛の大型猫、計3頭がおり、少し前まで掃除機をかけてもかけても振り返るとすでに毛玉が転がっている、という状況だった。今はかなり楽になったので、その取り組みについても紹介したい。

服はもちろん、カーペットやソファー、寝具。この時期はペットの抜け毛が特に多くなる。photo/iStock

まずは毛皮について少し触れたい。動物の毛皮には「シングルコート」と「ダブルコート」の2種類ある。ずっと伸ばし続けると羊のようにモコモコになってしまうのがシングルコート、春先や秋口に毛が生え変わるのがダブルコートだ。抱っこしたときや、ペット用のベッド等の抜け毛が気になる場合はダブルコートだろう。

猫も品種によってダブルコートとシングルコートがいるのだが、いわゆる日本猫は大体がダブルコートだと言われている。

シングルコートの場合、抜け毛がほとんど気にならない代わりに、定期的にトリミングサロンなどでカットする必要がある。希望のスタイルにもよるが、1〜2ヶ月に1回はカットしないと、毛がもつれたり毛玉ができたりする。また、高齢になっても持病があっても毛は伸び続けるので、一生涯カットが必要という点にも注意したい。

ダブルコートの場合は、この時期は特に、大量の抜け毛や毛玉が悩みの種になるだろう。猫の場合は、毛玉を吐きやすくなるのもこの時期かもしれない。

少しでもブラッシングをして抜け毛を減らせれば良いのだが、換毛期だけ熱心にブラッシングをしようと試みても受け入れてくれない愛犬・愛猫はとても多い。