Credit: Rosatom State Atomic Energy Corporation

【サイエンス365日】衝撃波は地球を3周!ソ連で史上最大の核実験

科学 今日はこんな日

"サイエンス365日" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

衝撃波は地球を3週

1961年の今日、ソ連(当時)が史上最大の水素爆弾である「ツァーリ・ボンバ」(爆弾の皇帝)の爆発実験を行いました。

 

1961年といえば冷戦真っただ中の時代であり、8月にはベルリンの壁が建設され、東西の対立ムードが高まっていました。そのような状況で行われた大規模な核実験は世界を震撼させるものであり、ソ連側からすれば国の威信をかけたプロジェクトだと言えました。

ツァーリ・ボンバはのちに西側諸国がつけた呼称であり、正式名称は「AN602」といいます。その破壊力はTNT爆薬100メガトン分にもなり、これは第二次世界大戦中に全世界で使われた爆薬の総量の50倍となります。実験では放射性降下物(「死の灰」)の拡散を防ぐために50メガトン分に出力が制限されたものの、その衝撃波は地球を3周したと言われています。

ツァーリ・ボンバの開発者には宇宙物理学で大きな功績をあげた科学者アンドレイ・サハロフ(Andrei Sakharov、1921-1989)も名を連ねました。

1961年の核実験以降、サハロフはソ連国内にあって民主化や人権擁護を求めた平和活動へ身を投じ、党の弾圧に屈することなく、1975年にはノーベル平和賞を受賞しました。

晩年のサハロフの写真 Photo by Getty Images