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小5で「両親が覚せい剤逮捕」…絶望から自殺未遂した男が「回復」するまで

薬物依存からの回復を信じる社会へ

今年も芸能界の薬物事件がメディアを賑わせたが、ワイドショーなどでは人格否定や憶測推測、煽り報道、近所迷惑な取材、デマといったやりたい放題の報道が続いている。

そして毎回必ずしたり顔で話されるのは「薬物問題は再犯率が高いですからねぇ」というものだが、これなどは愚の骨頂で、再犯率が改まらないのならそれは日本の薬物政策の失敗を物語っているのであって、個人の資質の問題ではない。

そもそも再犯を繰り返している薬物事犯者は依存症であり、刑罰では改善しない。

ワイドショーのタレントコメンテーターには「これだけ再犯率が高いのだから刑罰には意味がないってことですよね。やり方を変えて治療に繋げてはどうでしょうか?」と、このくらいの鋭いツッコミを入れてもらいたいものである。

では、刑罰ではなく治療に繋げば、事態は改善されるのであろうか? 薬物の再使用をとめられるのであろうか? 答えはもちろん「Yes」である。

私は仕事柄回復し、社会復帰した薬物依存症者の仲間をたくさん知っているが、先日もまた一人、壮絶な体験を経て回復に向かう生き証人に出会ったのでご紹介したい。

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両親が覚せい剤で逮捕、絶望から自殺未遂…

彼の名は一沙(いっさ・仮名)。

茨城県で生まれ育った。現在40歳とのことだが、キャップをかぶり、Tシャツにデニム、ピアスやアクセサリーをじゃらじゃらとつけ、やんちゃな笑顔を見せる彼はとてもそんな中年男性には見えない。

しかし彼の口から聞かされる生い立ちは想像を絶し、今の笑顔には似つかわしくないものであった。