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地震大国・日本の「地盤」を改良する、「難工事」の請負人たち

「ライト工業」阿久津社長にインタビュー
夏目 幸明 プロフィール

機械の仕組みや使い方を熟知すると、効率的な作業計画を立てられるようになります。現場に慣れてくると、地盤の締まり方―どれだけ水を含んでいるかが勘でわかるようにもなる。個人の実体験は尊く、それ抜きでいい仕事はできないと思います。

一方、当社はICTの活用だけでなく新工法も開発するなど常に最新の技術を導入しています。

私はよく「技術と技能の融合によって初めていい仕事ができる」と言っていますが、これは、あの時職人さんに教わったことと同じなのかな、とも感じています。

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今、当社の技術が使われる場所はさらに広がっています。例えば宮古島。大きな河川がなく、地盤も珊瑚でできているため水が貯まりにくく、農業用水が確保しにくい状況でした。

そこで、世界に先駆け「地下ダム」をつくったのです。当社が担当したのは地面を数十m掘り、水を漏らさないよう遮水壁をわずかな誤差もなく造成するという、難易度の高い工事でした。

 

完成後、現地の農業は飛躍的な発展を遂げています。私たちが頑張れば、農業適地が増え、大深度の地下も活用できる、それが我々の誇りなのです。

全国の建設関係者の皆さんが「この工事、難しい」と感じた瞬間、当社の存在を思い出していただけたら嬉しいです。(取材・文/夏目幸明)

阿久津和浩(あくつ・かずひろ)
'60年、千葉県生まれ。'83年に日本大学理工学部土木工学科を卒業し、ライト工業へ入社。'04年に盛岡支店秋田工事部長に就任し、その後、東日本支社長、東北統括支店長など要職を歴任。'16年に常務取締役、'18年に技術営業本部長、'19年に専務取締役、'20年に代表取締役社長就任、以来現職

『週刊現代』2020年10月17日号より