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地震大国・日本の「地盤」を改良する、「難工事」の請負人たち

「ライト工業」阿久津社長にインタビュー

特殊な土木工事、なかでも斜面の補強工事や、軟弱地盤の改良工事などの分野で業界をリードするライト工業を取材した。創業は1943年、独自の技術を武器に、売上高は1000億円を突破した。社名の由来は「Right(正しい)」と「Light(光)」の二説があり、今は「正しく明るく」を社訓にしているという。阿久津和浩社長(59歳)は社訓通り、難工事の現場でも常に前を向く好人物だった。

日本の脆弱な地盤を強靱化

日本は国土の7割が山地や丘陵地で、かつ水資源が豊富な国です。しかし、自然に恵まれているということは、同時に脆弱な地盤も多いということ。しかも、地下ではプレートが衝突し、常に地震の脅威にさらされています。

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当社はそんな国で80年近く自然災害に立ち向かってきました。時には斜面にアンカーやロックボルトを打ち込み、時にはのり面(人工の斜面)にモルタルやコンクリート枠を構築して土砂崩れを防ぎます。

固まる時間を数秒から数時間で調整できる材料を地盤に注入し漏水を防ぐこともあります。独特な国土で培われたこれらの技術は、海外でも高く評価されています。

こうした事業を続けてこられたのは、常に新しい領域に挑戦してきたからだと思います。当社誕生のきっかけは、秋田県の鉱山で坑道の防水工事を行ったことでした。

戦後はこの知見を活かして当時の国鉄からトンネルの防水工事を請け負い、その後は地盤の強化、インフラの補修など、次々と新たな挑戦を行い、業務の幅を少しずつ広げてきました。

現在はICT(情報通信技術)の利用を進めています。

 

地盤改良の際に地中を3Dにして表示する、GPSを使って機械を誘導する、さらに当社が独自開発した「リモートスカイドリル」を使えば、削孔位置のセットから削孔の長さの管理までオペレーター1人で行えるなど、省力化をしつつ、より安全で正確な施工ができる体制を整えています。

能動的に考え続けた

入社後、北海道から沖縄まで全国のあらゆる現場を担当してきました。風光明媚なところを訪れると、仕事のついでに観光をしたくなりますが、一度も叶ったことはありません。計画通りに進む現場は少なく、非常に忙しかったからです。