ある日急に、妻が「離婚する」と言い出した夫婦。夫にとっては寝耳に水。でも、実は妻には不満がたまっていて「ずっと離婚をしたいと思っていた」。さらにその理由は「一緒にいて、楽しくないから」......。

この一見ワガママにも見える「楽しくない」という言葉には、実は夫婦仲を左右する大きな問題が隠されていると話すのは、年間200組が駆け込む家族問題カウンセラーの山脇由貴子さん。

最近では「夫のLINEにストレスを抱えている」妻も多く、LINEのやりとりがうまくいっていないと実際の夫婦仲もうまくいっていない場合が多いという。

夫のLINEが妻を不愉快にさせてしまうのはなぜなのか? 山脇さんの新著『夫のLINEはなぜ不愉快なのか』(文春新書)から、こじらせた夫婦たちの実例と、こじれた関係をどう改善すべきか、抜粋して紹介する。

なにも「分かっていない」夫

たいていの家庭では夫婦関係の悩みや、お互いへの不満があります。ところが夫婦で話し合っても、その原因や解決方法が見つからないことは珍しくありません。

そもそも話し合いの場を持った夫婦も多いとはいえないでしょうし、話し合うとケンカになってしまう、という夫婦もいます。そこで、たまりかねた妻が夫を連れて私のところへカウンセリングを受けにくるのです。

「夫はいつも私の話を聞いてくれない」「家事の負担が違いすぎます。でも夫は『十分やっている』と思っている」「夫は自分でイクメンだと思っているみたいだけど、育児はいつも、いいとこ取り」「私が髪を切っても気づいてくれない」

一方、連れてこられた夫が口にするのはこんな言葉です。「妻は口を開けば、文句ばかり」「休みの日に家にいると邪魔者扱いされる」「早く帰っても怒られる、遅くなっても怒られる」「家にいづらい」

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そして、こう口を揃えます。「でも、どうしたらいいのか分からない。ちゃんと仕事もしているし、自分としては決して、悪い夫ではないと思っているのに」多くの家庭にある話ではないでしょうか。一つ一つは小さな不満なのですが、それが積み重なってゆくと、修復不可能なレベルにまで関係が悪化してしまいます。 

私のところへカウンセリングを受けにくる夫婦のうち、主導権を握っているのは、たいてい妻のほうです。夫婦関係についての不満を言うのも妻の方が多いといえます。つまり、「夫に文句ばかり言われている」という妻よりも、「妻に文句ばかり言われてい る」という夫の方が多いといえるでしょう。 

そして大半の夫は妻の不満の原因が分かっていません。そのことが妻の不満を増幅させています。