Twitter発25万部ポエム作家F、最新作『20代で得た知見』に見る「魅力の正体」

読者は誰か、そこに刺さるテクニックとは

2015年刊の蒼井ブルー『僕の隣で勝手に幸せになってください』以降、TwitterやInstagram上でポエムともエッセイともつかない日常の出来事や恋愛についてのつぶやきで人気を博し、書籍化される流れがある。

特に定着化したジャンル名はなく、筆者は便宜的に「Twitter/インスタポエム」と呼んでいるが、こうしたインフルエンサーのエッセイ本をレーベル化したKADOKAWAの@nightでは「エモ文学」と呼称している(参照「SNS生まれ『エモ文学』が女子大生を虜にしている驚きのワケ」)。

代表格のひとりであるFは、デビュー作のエッセイ『いつか別れる。でもそれは今日ではない』と小説『真夜中乙女戦争』が合わせて25万部を記録。

2020年9月に発売となった『20代で得た知見』(KADOKAWA)は、書籍情報が解禁されて予約が始まるや否やAmazonの新着ベストセラーランキングで1位となり、発売後も重版が続いている。

このジャンルの、そしてFの魅力とはいったいなんなのか。

 

Twitterポエム/エモ文学とジャンル内の位置づけ

このジャンルの読者には10代、20代の女性が多い。感傷的な気持ちになりたいときに開いて読むものとして需要がある。

キーワードは「夜」だ。夜に手紙を書くと次の日読めたものではないものだが、ホルモン分泌などの関係で、夜は理性よりも感情優位になりやすい。とくに若いとその傾向が顕著だ。Twitterポエムは、夜の気持ちによく刺さる(具体的な例はこのあと紹介する)。