偽薬マーケットやオリンピック問題も

4:【入手しにくいことで信頼のできない怪しいネット販売も】
緊急避妊薬のアクセス改善が議論されるたびに、必ず話題になるのが「ネットでの転売」だ。それを防ぐために「面前内服」を求める声もある。確かに現在ネット上では質の保証ができない海外の安価な避妊薬(緊急避妊薬・低用量ピルなど)が販売されている。中には、正しい成分でない偽薬の可能性もあり、実際に避妊効果が定かではない危険もある。

しかしこれは、緊急避妊薬にアクセスするために、医師の診察、入手しにくい価格といったハードルがあるからこそ生まれてしまっているブラックマーケットであり、女性たちが好んで選択しているわけではない。緊急避妊薬が薬局で入手可能な価格で提供されれば、女性たちは自分で安心安全な形で薬を入手できる上、こういったブラックマーケットも駆逐できる効果もある。

5:【オリンピックがあるのに、世界のスタンダードがなくて大丈夫?】
東京都は、オリンピックの開催に意気込みを見せている。新型コロナウイルスの影響で、海外からどれほどの人が来るかはわからない。しかしいずれにせよ、海外では多くの人たちは「緊急避妊薬は薬局にあって当然」と思っている。そんな中、万が一のことが起きたときには大変だ。

留学生で、日本に来たばかりの頃、レイプ被害にあった友人がいる。彼女はせめて妊娠だけでも防ぎたいと日本語もわからない中で薬局に行ったが緊急避妊薬が見当たらない。やっと、病院にいく必要があるとそこでわかっても、英語対応ができて緊急避妊薬の在庫がある病院がわからない、と何重もの壁を経験したという。彼女は偶然にも、似た状況に置かれたことのあった留学生の友人の紹介で、なんとか時間内に緊急避妊薬にたどり着けたという。

しかし、旅行客やオリンピックが目的で来た人ではそうはいかないことも十分に懸念される。日本への旅行者の安心、安全を今のままでは守れない。

コロナ禍でどんなオリンピックになるかわからないが、緊急避妊薬が当たり前の外国人が多く来日するが対応は大丈夫なのか。photo/Getty Images