兵士が機械に殺される…現代の戦争で使われる「軍事ドローン」の驚くべき実態

日本の民生ドローンとはまったく別物
黒井 文太郎 プロフィール

つまり、両陣営ともに被害者意識を持っており、相手に強い敵愾心を持っているわけだが、国力も戦力もそれほど大差はない地域小国同士であるため決着がつかず、紛争が常態化していた。

今回の戦闘では、最初に大規模な攻勢に出たのは、アゼルバイジャン側だった。しかし、アルメニア側は正規軍と志願兵を投入してアゼルバイジャン軍を迎撃し、さらに戦力が優勢なエリアでは逆に攻勢に出た。こうしてしばらく、戦闘は一進一退の膠着状態に陥った。

だが、10月中旬から再びアゼルバイジャン側が大規模な攻勢に出て、ナゴルゴ・カラバフ南東部に大きく攻め入っており、北部でも一部領域に攻め入っている。現在、戦局は明らかにアゼルバイジャン有利に進んでいる。

アルメニアの後ろ盾は、軍事同盟関係にあるロシアだ。しかし、ロシアはアゼルバイジャンとも良好な関係にあるため、両国の仲介には動いているがアルメニアを一方的に擁護するような動きはしていない。

ロシアのプーチン大統領とアゼルバイジャンのアリエフ大統領[Photo by gettyimages]
 

他方、アゼルバイジャン側は、後ろ盾であるトルコから強力な支援を受けている。政治的、軍事的な支援も受けており、今回の攻勢の背後にはおそらくアルメニアと歴史的に対立してきたトルコの意思もある。

アルメニア側の発表によると、10月19日までのアルメニア軍の戦死者は729人。一方アゼルバイジャン側は死者数を公表していない。民間人の犠牲者数も不明である。いずれにせよ、これは約3万人が犠牲になった90年代の戦争以降、最大の戦いといえる。

日本人が知らないドローンのリアル

この最大の戦闘で活躍したのが、IAIハロップとバイラクタルTB2という2種類のドローンだ。

ハロップは全長2.5mほどの比較的小型のドローンで、23kgの爆弾を搭載している。自身が敵に突身して攻撃する自爆型ドローンとして運用され、一般的な無人機のイメージよりもどちらかというと巡航ミサイルに性質が似ている。