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ニトリとDCMの「島忠」争奪戦が暗示する消費氷河期の厳しい未来

「巣篭もり特需」はいつまでも続かない

絶好調企業たちの焦り

家具大手の「ニトリホールディングス」が、ホームセンターを展開する「島忠」の買収を検討していると10月20日、大手メディアが一斉に報じた。

島忠HPより

島忠を巡っては、ホームセンター大手の「DCMホールディングス」が完全子会社化することで島忠経営陣と合意しており、すでに10月5日から11月16日までを期日として、1株4200円でTOB(株式公開買付)を実施している。

そこにニトリが割って入る格好になった。ニトリは10月中にも別途TOBを開始するとみられており、TOB合戦で島忠の争奪戦に発展する見通しだ。

新型コロナウイルスの蔓延で、在宅勤務などが広がったことで、住宅地のホームセンターや家電量販店などの売り上げが大幅に伸びている。いわゆる「巣篭もり効果」だ。

ニトリの2020年8月中間決算は売上高が3624億円と前年同期比12%も増加。純利益も35%増の497億円の中間決算としては過去最高を記録した。DCMの中間決算も売上高が11%増加。純利益も78.4%増と利益が急増している。

絶好調な業績を背景に、M&A(合併・買収)による業容拡大を急いでいるようにも見えるが、実際にはニトリにしてもDCMにしても、ある危機感がM&Aを加速させていると業界関係者はみる。

 

その危機感とは、ズバリ、「巣篭もり効果」の終焉。今はたまたまテレワークが追い風になっているが、新型コロナ不況が深刻化すれば、早晩、消費需要は落ち込む。もともと家電量販店やホームセンター業界は飽和状態と言われ、すでに合従連衡が始まっていた。

本格的な消費不況が来る前にM&Aで同業者を取り込み、強固な経営基盤を作り上げておこう、ということのようだ。