2020.10.23
# アメリカ

あのニューヨーク・タイムズが突き進む歴史歪曲、記事改竄、批判封殺

BLMを後押しも混乱を助長
会田 弘継 プロフィール

米建国は1776ではなく1619?

「1619プロジェクト」の1619とは、アフリカ黒人奴隷がはじめて米国独立前のバージニア植民地に連れてこられた年を指す。その年の8月だった。

それからちょうど400年に当たる昨年8月、NYT紙は12本の特集記事を掲載するNYTマガジンの特別号を出した。特集は、米国の「真の建国」は1619年だとし、米国史は黒人迫害を軸に展開してきたという視点をとり、1776年の米国独立の主要な動機のひとつは奴隷制維持だったとまで断じた。歴史学会のみならず米社会に賛否両論の波紋を広げた。

特集は警官によるフロイドさん殺害事件の発生と相前後して、今年5月に論説部門でピュリッツァー賞を受賞した。

 

その後のBLM運動を見ると、広がりだけでなく、質的な違いさえうかがえる。歴史に根ざす「制度的人種差別」に対する抗議が前面に出て、以前はリー将軍ら南北戦争期の南部側の軍人や政治家が主な標的だった銅像引き倒しが、奴隷解放の立役者リンカーンや建国の父祖ワシントン、ジェファソンらにまで広がり、欧州に飛び火して各国の植民地主義者にまで及んでいる。

米欧近代の全否定といった様相さえうかがえる。

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