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「10兆円予備費」も「9000万円の合同葬」も…学術会議騒動で浮かび上がってきた「ニッポンの大問題」

竹信 三恵子 プロフィール

「10兆円予備費」や「9000万円の合同葬」…

こんなことを考えてしまうのは、「私たちの税金は政権の便利なお財布なの?」と問い返したくなるできごとが、このところ目立つからだ。

たとえば、新型コロナウイルス対策の第2次補正予算では、国会での審議なしで使える10兆円もの資金が予備費として計上された。

これについて佐藤主光・一ツ橋大学教授は、「予備費というのは、まさに名前のとおり、万が一に備えての経費になる。確かに5000億円とか、場合によっては1兆円組むことはあるかもしれないが、30兆の補正予算のうち10兆円というのは尋常ではないと思う。いったん、積まれてしまうと使ってしまおうというインセンティブも働きやすいので、むだの温床にもなりかねない」(6月4日付NHK NEWSWEB)と懸念している。

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昨年11月に亡くなった中曽根康弘元首相の内閣・自民党合同葬が10月17日に行われた。ここには約9600万円が経費の一部として、政府予算から支出された。

新型コロナウイルスの影響で仕事を失った人が見込みも含めて全国で6万人を突破(9月23日時点の厚生労働省調べ)したと報じられるなか、インターネットでは「高すぎる」「コロナ対策に使うべきだ」「自民党の党費で賄うべきだ」「中曽根氏の死を悼む人たちからクラウドファンディングで資金を集めた方が、本当の追悼になるのでは」との意見が相次いだ。

700億円以上を投じた持続化給付金の支給事業が、経産省の外郭団体から電通、さらに他の事業者への外注という形でそのつど事業者に一部が渡っていた問題も報じられた。

「学術会議問題」があぶりだす真の問題は、国民のカネが時の政権のカネであるかのように錯覚され、専門家による国民のための多様な提言が排除されかねない事態が起きていることなのだ。