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「10兆円予備費」も「9000万円の合同葬」も…学術会議騒動で浮かび上がってきた「ニッポンの大問題」

竹信 三恵子 プロフィール

意外に身近な「学術会議提言」

同会議は、「科学的な事柄について実現を望む意見」として出される「提言」として国民の身近なテーマについて専門的見解を多数発表している。

NHKの10月18日付「NEWSWEB」によると、同会議が自発的にまとめて発表する「提言」は2011年から先月末までの10年近くで277件に及び、今年はこの10年で最も多い68件が発表されている。

その提言内容を見ると、政権からも企業からも独立した提言機関の必要性がさらに見えてくる。

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たとえば、ゲノム編集技術など最先端の科学技術や、子どもや妊婦の受動喫煙対策を充実させるよう求めるもの、「トランスジェンダー」が暮らしやすい社会をつくるため法整備の必要性のほか、夏の生活時間を早める「サマータイム」について、長期にわたって健康に影響を及ぼすおそれのあることや必ずしも暑さ対策になるとは限らない点を指摘し、「導入は見合わせるべきだ」といったことも提言されている。

また、新型コロナウイルスの感染が広がる前の去年5月には、感染症の「パンデミック」に備え、ウイルスなどの微生物や病原体についての教育を充実させる必要があるという提言も出している。

いずれも、政権の思い込みや企業の利益に左右されず、国民生活の実態から政府の政策の妥当性を検証し、問うものだ。