黒川清・日本学術会議元会長

学術会議元会長がズバリ指摘、劣化する日本型エリート「病理の正体」

学術会議、コロナワクチン、東大総長選…

「在り方」が問われる日本学術会議

日本学術会議の「在り方」についての論義がかまびすしい。

政府が6名を任命しなかった学術会議への人事介入は、「学問の自由」を巡る論義に発展したが、自民党はそれを在り方問題にすり替えた。「『会議』の在り方を検討し直す作業チーム」を発足させ、14日に初会合を開き、年内に結論を出す方針だという。

目くらましというしかなく、野党やマスメディアは反発しているが、学術会議が政府と政権与党に絡め取られる“スキ”を与えた側面は否定できない。なぜ、学術会議は独立性を失い、人事権を握られ、「在り方」まで問われる存在となったのか。

03~06年まで学術会議会長を務めた黒川清氏に、「混乱の解」を求めてインタビューを申し入れた。19日、快く応じた黒川氏は、「日本のエリートが、お上頼みで自立していないことが背景にある」と指摘、日本が抱える構造的問題に絡めて解説してくれた。

インタビューに答える黒川氏
 

従って提言は、学術会議の問題から始まって、コロナ禍で停滞した治療薬・ワクチン問題、私が本サイトで“迷走”を指摘した東大総長選にも及んだ。

黒川氏は、東大医学部卒業後、インターンを経て東大大学院で博士号を取得して渡米。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で准教授、教授を歴任して帰国、母校で教授を務め、学会で数々の要職に就いたうえで学術会議会長となった。

現在は政策研究大学院大学名誉教授。11年には国会が設けた東京電力福島原子力発電所事故調査委員会の委員長に任命され、12年7月、報告書を提出した。その報告書は、事故は自然災害ではなく、「規制の虜」に陥った「人災」だと明確に結論付けており、衝撃を与えた。

黒川氏は、規制する側(国)が規制される側(東電)に取り込まれ、本来の役割を果たさなくなってしまうことを意味する『規制の虜』をタイトルに本を書き、「日本の劣化」を世に問うた。今回の騒動の背後にも劣化がある。

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