(C)2020「星の子」製作委員会
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国内外から絶賛…「女優・芦田愛菜」の言葉が、万人の心をつかむ理由

映画『星の子』で、改めて証明された

天才少女と言われ続けて

この秋、16歳少女の発した緻密にして寛容、成熟した言葉が、国内外で大きな反響を巻き起こした。現在公開中の映画『星の子』の完成報告イベントが9月に都内でおこなわれ、登壇した主演女優・芦田愛菜は、作品のテーマ「信じる」について司会者から芦田さんはどう思うかと質問された時、次のように話し始めたのである。

「“その人のことを信じようと思います”といった言葉がよく使われますが、それはその人自身を信じているのではなく、自分が理想とするその人の人物像みたいなものに期待してしまっているということだと思います。

“人に裏切られた”とか“期待していたのに”とは言われるけれども、それはその人が裏切ったわけではなく、その人の見えなかった部分が見えただけであって──」

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彼女の豊かな語彙と成熟した思考は、まず各ポータルサイトのヘッドラインで報じられ、翌日以降のテレビ各局でも華々しく取り上げられた。ワイドショーでは著名な識者が、競うようにして彼女のコメントに対する解釈を次々と披露。果ては戦後フランスの実存主義哲学までが取り沙汰されるに及んで、反響は加熱の一途を辿った。

天才少女と謳われ、早10年。幼少期から芸能界の荒波を泳ぎ続けてきた彼女のこと。さては他者に幻滅する経験をいくどとなく経て、その痛手をなんとか克服しようと編みだした認識がフッとにじみ出たのだろうかと、つい邪推してしまう。

しかしそんな私たち外野の邪推など意に介さず、彼女はなおも畳みかける。

「その人の見えなかった部分が見えた時に、“あ、それもその人なんだ”と受け止められる揺るがない自分がいる、ということが“信じられる”ということだと思いますが、その揺るがない自分の軸を持つってすごく難しいじゃないですか。

そういう不安な自分があるからこそ、人は“信じる”と口に出して、たとえば成功した自分だったり、理想的な人物像だったりにすがりたいんじゃないかと思います」