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習近平の動揺…中国が10月に入って「尖閣侵入」を激化させた「本当の理由」

日米豪印の結束に焦り始めた

日米豪印外相会合の意味

尖閣諸島を巡る情勢について、前稿のあとに生じたいくつかの重要な点について考えたい。

我が国では新しい内閣が発足し、菅義偉新総理は安倍晋三前総理の路線を継承するとしている。新総理が内閣官房長官として歴代最長の在任期間を誇ることから、新内閣は内政に軸足を置くだろうとの観測もあったが、国際情勢は激変し続けており、外交でも一刻の猶予も許されない中での船出となった。

外交面での路線継承がまず明らかになったのが、パンデミック下ならではの「顔見世」でだった。就任後の一連の電話首脳会談がモリソン豪首相とトランプ米大統領から始められたことで、日米同盟に加えて日豪関係をも重視する姿勢が示された。豪州は安倍によって準同盟国と位置付けられていたが、その路線を継承するかたちだ。

こうした方向性は、10月初旬に開催された日米豪印外相会合によってより鮮明となった。クアッド(Quad、四角形quadrilateralに由来)と通称される4か国協力の枠組みは、安倍が第一次政権の頃から熱心に推進していたものだったからだ。

インド太平洋地域において民主主義という共通の理念を共有する国々が、秩序形成に主導的役割を果たすべきとの考えであり、昨年9月の国連総会に際して閣僚レベルに引き上げられていた。

日本で開催された日米豪印外相会合(10月6日)〔PHOTO〕Getttyimages
 

今次の東京会合は、国際会議の「ついで」に集まるのとは違って初めての単独開催であり、主催した茂木敏光外務大臣と新内閣の明確な意志が込められている。時を同じくして米国では、トランプが新型コロナに感染そして入院という緊急事態が生じていた。

大統領が欠けた場合に備えて合衆国憲法及び大統領継承法(1947年)によって継承順位が定められているが、国務長官は副大統領、下院議長、上院仮議長に次ぐ4位で閣僚の中では最上位だ。そんな政権中枢に位置するポンペオ国務長官が予定通り訪日したことで、米国の意志もまた明確となった。