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真相はどこへ…「学術会議問題」で、菅首相が本当に考えていること

「政争化」で被害を受ける学者たち
作家・佐藤優さんがコメンテーターとして出演されている文化放送『くにまるジャパン極』、反響の大きかった10月16日オンエアの書き起こしの一部を公開します。同回コーナー「深読みジャパン」では、パーソナリティの野村邦丸さん、佐藤さんが発言しています。なお、原稿化にあたり、一部加筆修正している部分がございます。
16日放送分での同コーナーのテーマは「菅政権発足1ヵ月、紛糾する日本学術会議問題」です。「菅さんが今回任命拒否で主導的な役割を果たしている、というのはあり得ない」「これは、(問題が)起きてから慌てて、(菅総理や杉田和博官房副長官らが)何か理屈を探さないと、とやっているときの姿ですよね」(佐藤さん)というスタンスのもと、今回の問題を見取るうえで重要な視座はなんなのかを明らかにします。

起きてから「ありゃ、大変」と…

佐藤優(以下、佐藤):過去において日本がどういうことをしたのか。例えば安倍さんの70年談話だって、満州事変から日本は誤ったという考え方でしょ。これは、ある意味では東京裁判史観ですよ。そういう意味で、そんなにね、安倍政権にしても菅政権にしても、右翼的な政権じゃないんです。それなのに、どうしてこういうこと(日本学術会議の任命拒否問題)が起きちゃったのか。

まず、下から上がってきたものをそのまま決裁しちゃったというのが一個。そして、その下のほうのところが、何ていうのかな、本当に申し訳ないけども、大学で勉強したこととか、学術的な成果が国策に役立たないと思っている。

1ヵ月前はこんなことになると思っていなかったはず/photo by gettyimages
 

それで、政府に都合のいいことを言う人だけがいいんだって勘違いしているような、私から言わせると、「達してない」ような官僚たちが下のほうにいる、と。それの、忙しさのところでチェックが十分に行ってないという、そういう側面が一個。

それからもう一個は、公務員の人事っていうのは、言われてきたとおりにやるんじゃない。ちゃんと政治で判断してやる、と。だから名簿全員認めないということに何となく意味があるんじゃないかと、ふわっと菅総理が思っていると。その2つが結合して、起きてみてから、「ありゃ、大変」ということになったと、こういうふうに私は見ているんですよ。

しかも、日本学術会議が内示を受けて、受けられないといったときに、学術会議の、当時だったらまだ山極(壽一)さんだよね、彼が、「これは何ですか」って首相官邸にすぐに掛け合えばね、変化する可能性はあったと思う。

ところが、日本共産党がスクープだって、学術会議が言う前、人事が本当に発令して動く前に言い始めちゃったでしょ。

野村邦丸(以下、邦丸):これは「赤旗」のスクープから始まってますね。