一体なぜ…「ワゴンR」と「ムーヴ」がまったく売れなくなったワケ

N-BOXの登場がすべてを変えた
渡辺 陽一郎 プロフィール

2012年から状況は変化

ワゴンRやムーヴが下がり、スーパーハイトワゴンが伸びた最初の切っ掛けは、2007年に登場した2代目タントだった。2003年の初代タントも全高が1700mmを上まわり、堅調に売れたが、2代目は左側にピラー(柱)を内蔵した開口幅のワイドなスライドドアを備える。この装備が人気を呼び、2008〜2011年には、軽自動車の販売ランキングで3位に入った。

 

それでも1位はワゴンR、2位はムーヴが守ったが、2012年に変化が生じた。2011年の末に発売された初代(先代)N-BOXが好調に売れて、ワゴンRを抜いたからだ。2013年にはN-BOXが軽自動車の販売1位になり、2位はムーヴ、3位がワゴンRだ。2014年は先代型にフルモデルチェンジされたタントが1位、2位がN-BOXとなった。

2015年以降は、N-BOXとタントが定番の売れ筋軽自動車になり、ワゴンRとムーヴは次第に下がっていった。なぜN-BOXやタントが好調に売れて、ワゴンRとムーヴは主役の座を奪われたのか。スズキの販売店に尋ねると、以下の返答だった。

「約10年前に(先代)N-BOXが好調に売れて、軽自動車に対するお客様の見方が変わりました。本来ならワゴンRの競争相手はN-WGNですが、カテゴリーの違うN-BOXと競争するのです。N-BOXが定番になった証拠でしょう。

背の高いボディによって後席と荷室がワゴンRよりも広く、スライドドアで乗降性も良い。スズキにもN-BOXのようなクルマが求められました。当時はスライドドアを備えた軽自動車としてパレットがありましたが、外観が地味で車内が広く見えません。

そこでパレットを(先代)スペーシアにフルモデルチェンジすると、角張ったボディとさらに広い車内が好評で、売れ行きも伸びました。今でも一番の売れ筋車種です」

このように軽自動車の売れ方を一変させたのは、タントに続くN-BOXの登場だった。N-BOXのインパクトが大きいためにライバル車のタントやスペーシアも注目を集め、軽自動車の販売上位に、スーパーハイトワゴンが君臨する国内市場が形成された。

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