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習近平政権の野望が「デジタル人民元」試験運用開始で加速中

「米ドル支配」に風穴を開けられるか

「台湾統一」の意志

先週10月15日、香港に隣接した中国最初の経済特区・深圳。習近平主席はこの日、「深圳経済特区建立40周年慶祝大会」に出席し、広東省や深圳市の各界幹部、香港の林鄭月娥行政長官、マカオの賀一誠行政長官らを前に、いつもの野太い声で長い演説をぶった。その要旨は、以下の通りだ。

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「今日われわれは盛大に集会を開き、深圳など経済特区の建立40周年を祝う。総じて経済特区建設の経験は、改革開放をさらに高みに押し上げ、全党全国全社会を動員し、社会主義現代化国家の新たな道程の全面的な建設を切り拓いた。第二の100年(2021年7月に共産党創建100周年を迎えて以降の100年)の奮闘目標に向かって進軍、団結猛進していこうではないか。

深圳の1980年のGDPは2.7億元だったが、2019年には2.7兆元となり、年平均で20.7%も成長した。都市の経済力はアジア5位で、財政収入は1億元以下から9424億元に増加した。鄙びた田舎から世界に影響力を持つ国際的な大都市へと、歴史的な跳躍を遂げたのだ。

40年来、深圳は『引進来』(外資導入)と『走出行』(中国資本の輸出)の実行を堅持してきた。貿易額は1980年の0.18億ドルから2019年の4315億ドルへと、年平均26.1%で上昇した。

40年来、深圳は社会主義民主政治を堅持発展させ、人民主体の地位を尊重し、社会主義精神文明建設を強化し、積極的に社会主義の核心的価値観(習近平政権が唱えるスローガンで、富強・民主・文明・和諧・自由・平等・公正・法治・愛国・敬業・誠信・友善の12項目の価値観)を教育実践してきた。

それによって経済開発は社会主義物質文明、政治文明、精神文明、社会文明、生態文明の歴史的な跳躍を実現させたのだ。そして市民の平均年収も6.25万元となった。1985年の31.6倍だ。世界に中国の特色ある社会主義の光明な前景を展示したのだ。

深圳の発展が蓄積した貴重な経験は10項目ある。

1)共産党の経済特区建設の指導を必須堅持、2)中国の特色ある社会主義制度の必須堅持と完備、3)発展の道理を必須堅持、4)全方位への対外開放を必須堅持、5)イノベーションが第一動力を必須堅持、6)人民を中心とした発展思想を必須堅持、7)科学的立法、厳格な執法、公正な司法、全民を守る法の必須堅持、8)生態環境保護の理念必須実践、9)「一国二制度」の基本方針の必須の全面確立貫徹、10)全国の経済特区への輻射帯動作用の必須堅持。

共産党中央委員会は昨年8月、深圳に中国の特色ある社会主義の先行示範区を建設する意見を打ち出し、全面的に関連業務を展開した。

深圳は中国の特色ある社会主義の先行示範区をうまく建設し、社会主義現代化強国の都市の範例を創建し、新発展理念の能力とレベルのアップを着実に貫徹し、全面的な深化改革を形成し、全面的な開放の新局面を拡大し、『粤港澳大湾区』(グレーターベイエリア=広東省・香港・マカオ一体化)の建設を推進し、『一国二制度』の事業の発展の新たな実践を豊富にし、社会主義の現代化を率先して実現するのだ。これが新時代に共産党中央委員会が深圳に賦与した歴史的使命なのだ。

中国の特色ある社会主義は、物質文明と精神文明が全面的に発展した社会主義である。経済特区はこの『二手を掴み、二手ともしっかり固定させる』ことを堅持しなければならない。

理想や信念の教育を強化し、社会主義の核心的価値観を教育、実践し、中国の特色ある社会主義と中国の夢の宣伝教育を深化させ、幅広い幹部や群衆、特に青少年を教育、引導し、中国の特色ある社会主義の道への自信、理論への自信、制度への自信、文化への自信を確固たるものにさせねばならない……」

難解な共産党用語が入る演説を、短く圧縮して訳したつもりだが、それでも長くなってしまった。

 

習近平主席はこの演説で、中国の今後の指針を明示している。来週26日から北京で始まる「5中全会」(中国共産党第19期中央委員会第5回全体会議)で明らかになるだろうが、習主席は2035年まで長期政権を敷くつもりでいる。「第二の100年」に言及しているのはそのためだろう。「自分の後継者として名乗り出るなど100年早い」という感じだ。あと15年自分がリーダーを務め、「習近平の中国」を完成させようとしているのだ。それは、台湾を何としても統一するという意思の表れでもある。

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