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「学校弁護士」が語った、教員の長時間労働が絶対になくならない理由

「労働基準法」は先生を守ってくれない
近年、トラブルを予測して初期段階から法的アドバイスを求めるため、「スクールロイヤー」と呼ばれる弁護士を導入する学校が増えている。教員免許と弁護士資格の両方を持つ筆者は、社会科教員として中高一貫校で教えながら、様々な自治体のスクールロイヤーとしても活動している。新刊『学校弁護士』には筆者が実際に関与したケースが数多く収められているが、今回はその中から教員の長時間労働の問題について、一部編集のうえ紹介する。
 

教師の過重労働、解決策はたった2つ

実は学校における最も深刻な法律問題は、教師の労働問題ではないだろうか。

ネットでは毎日のように記事が掲載され、教師の過労死が労災や裁判で争われるケースもある。今や社会問題といっても過言ではないだろう。

こうした状況の中で、教育政策としても、教師の労働問題は最重要事項として扱われている。文科省内には学校における働き方改革推進本部が設置された。

とはいえ私も含め、現場の教師からは、働き方改革がうまくいっているとはまったく思われていない。それどころか、教師が一切望んでいない「1年変形労働時間制」(授業のある平日などの勤務時間を延長する代わりに、夏休みなどの勤務時間を短縮して、1年間の総労働時間を調整する制度のこと)の導入など、現場のニーズをあからさまに無視した改革が進められている。

なぜ、教師の働き方改革はうまくいかないのだろうか。

その答えは簡単だ。教師の過酷な労働を生み出している原因を正しく理解していないからである。改革の前提となる問題の所在を正確に理解せずに、改革が成功するはずがない。

教師1人当たりの労働を減らすには、「教師の数を増やすこと」と「業務量を減らすこと」の二つを実行すればよい。これは誰もがすぐに思い付く当たり前の答えである。ところが、どういうわけか教師の働き方改革ではこの2つを絶対に実行しようとしない。改革がうまくいくはずがないのである。