食のスペシャリスト&グルメに精通する識者で構成される「FRaU Foodies」が、今イチオシの料理やスイーツなどをお届けします。今回は、朝はジュースにして飲み、夜は映画を見ながら食べているというフルーツ好きの速水もこみちさんが絶賛するフルーツポンチです。
旬のフルーツもぎっしり!
手作業で詰められる様式美
家にフルーツを常備し、日頃からフルーツのある生活を送っている速水さん。
「フルーツポンチって古臭いと思うかもしれないけど、瓶にカラフルなフルーツが入っているのは見た目からしてかわいいし、元気が出ます。僕は疲れたときに食べています」。
速水さんイチオシのフルーツポンチがあるのは、神田淡路町にある「近江屋洋菓子店(おうみやようがしてん)」。5代続く老舗店で、創業当初はパン屋だったのが、昭和23(1948)年洋菓子店に業態変更。ケーキや焼き菓子をはじめ、パンも販売しています。
昭和41(1966)年の建て替え以来、変わらぬ姿を見せる店内は、マリンブルーの天井に、大理石の床が時代を感じさせ、当時の面影を色濃く残します。
速水さんオススメのフルーツポンチは、約15年前から販売。ケーキに使う果物の余り物で作る、1日5本の限定商品としてはじまりました。それからジワジワと人気が出て、今では1日に100本を作るほどに。ケーキと同様、社長自らが毎朝大田市場で仕入れる果物を使用しています。
高さ15cmほどある瓶の中には約10種類のフルーツがギッシリ。定番のオレンジ、キウイ、バナナ、パイナップル、メロンのほか、旬のものが入ります。取材時は、ぶどう、柿、リンゴ、クリなど、秋の装い。
「フルーツポンチって、フルーツを角切りに入れたりしますけど、こちらはちょっと大きめにカットされています」。
そのカットも含め、すべてスタッフが手作業で行っているというから驚き。朝仕入れてきたフルーツをカットし、瓶詰め。最後にシロップを流し込みます。
瓶を見たときにキウイの断面が見えるように、フルーツとフルーツの間に空間を作らないなど、見た目の美しさを意識。昭和レトロな包装紙に包まれた箱を開けたとき、思わず声をあげたくなるほど目麗しいビジュアルは、細かい“こだわり”による産物なのです。