「大阪都構想」賛成の方にこそ知ってほしい「二重行政の真実」

解消効果はほとんど「ゼロ」なのに…
藤井 聡 プロフィール

二重行政の解消効果が「ゼロ」に…

都構想が主張されはじめた当初は、都構想が実現すれば二重行政が解消し、年間4000億円の財源が浮いてくる、それが最低ラインだと主張されていました。

ところが、大阪府市が取り組んだ13年8月の制度設計案では976億円に激減。日経新聞にも、『「年4000億円」目標に遠く及ばず』と報道されます 。

こうした激減には、市会での追求や批判を受けて、過大推計が徐々に暴かれたていった、という背景があります。

実際、この数字の中にも「二重行政解消」とは無関係の項目(地下鉄の民営化や市独自で実施している市民サービス削減)が含まれている旨も、同じ記事の中で報道されています 。

結果、2014年6月の行政の試算では、「都構想の実現とは関係の無い項目」を差し引けば、二重行政の「無駄」なるものは、年間約1億円に過ぎないことが明らかにされました。

これが、「前回」の住民投票前の状況だったのですが、当然ながら「二重行政の無駄」が実質的にはほとんど無いという状況は変わっていません。

というよりむしろ、5年前に指摘された僅かな二重行政についても、現状制度下で見直しが進み、遂に令和2年8月21日の大阪市会(臨時会)で松井市長が「今、二重行政はないんです」と言明するに至っています。

つまり今や、当初言われた「年間4000億円もの二重行政の無駄」の全てが完全に消え去っているのであり、したがって、大阪都構想を推進する合理的な根拠などもはや存在しなかった、ということが明らかになっているのです。

 

なお、「都構想」を実現すると、現在の行政は、初期費用で240億円が必要であり、毎年のランニングコストも年間約30億円もが必要とされる、ということを明らかに示しています。

つまり、推進派が主張するような「都構想で合理化して出費を減らす!」というストーリーは完全に間違っており、むしろその逆に「都構想で無駄な出費が増える」というのが実態なのです。

(*このあたりの詳細は、都構想の真実をご参照下さい)

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