華原朋美さん「緊急入院」報道も…“自己破壊”を繰り返す「ギリギリの実態」

境界性パーソナリティ障害の可能性も
片田 珠美 プロフィール

薬物依存といえば、覚せい剤や大麻などの違法薬物への依存を思い浮かべる方が多いかもしない。

だが、「全国の精神科医療施設における薬物関連精神疾患の実態に関する調査」によれば、薬物依存で病院に通院している患者のうち、使用薬物で最も多いのは覚せい剤だが、その次に多いのが睡眠薬や抗不安薬などの処方薬なのだ。これらの処方薬は、わが国で第2位の乱用薬物といえる。

とくにベンゾジアゼピン系の睡眠薬や抗不安薬への依存は深刻な問題である。こういう薬は酩酊感をもたらしてくれるため、「嫌なことを忘れたい」「とにかく何も考えず眠りたい」という気持ちから乱用する方も少なくない。

もちろん、その背景には、睡眠薬や抗不安薬を漫然と処方する医師の問題もある。日本は欧米に比べ、この系統の薬の処方件数が格段に多いのだ。

 

以前テレビ番組で華原さんと共演した際、自己紹介した途端「私は精神科医の出した薬のせいで依存症になった」とものすごい剣幕で怒鳴られ、唖然とした。

「私が処方したわけでもないのに、なぜ怒りをぶつけられるのか」と納得しがたい気持ちになったのだが、華原さんとしては、処方した精神科医への怒りを抑えられず、同業者である私にも怒りを向けたのかもしれない。

もちろん、主治医が規定の量を処方しても、患者が乱用し、その結果薬物依存に陥ることもあるので、一概にどちらが悪いとはいえない。しかし、自分の処方した薬が薬物依存を作り出す可能性もあることは、精神科医として認識しておかなければならないと思う。