『ねぎびとカンパニー』の皆さん

社長の“一番の仕事”とは…? ネギ1本1万円で売る男が辿り着いた結論

なぜネギ1本が1万円で売れるのか?(26)
「1本1万円のネギが売れている」そう聞くと驚く人も多いのでは?
『ねぎびとカンパニー』社長・清水寅氏は脱サラ後に農業を始めた中途参入組。しかし今では『ねぎびとカンパニー』のネギは1本1万円の価値が付くほどに…。
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第26回では、効率化する上で見えてきた“社長の仕事”についてお届けします。>>今までの連載はこちら!
 

なぜ40本入りにしたのか?

1ケース40本入りの段ボール箱にしたのは、他にも理由があります。背景にあるのは配送費の高騰です。

段ボール箱に詰めたネギは、いまは午後1時に運送会社がうちまで取りにきてくれます。でも、余裕で1時に間に合うようになったのは、ネギ掘りもネギむきも劇的に速くなった、ここ2~3年のことです。

『ねぎびとカンパニー』トラック

それまでは必死で夕方便を探したり、運送会社の集配所まで自分でもっていったりしていました。その部分でも無駄があった。

ネギの小売価格はなかなか変えられないので、送料を抑える工夫はずっとやってきました。年間200万本も出荷するわけですから、1本当たり1円違うだけで200万円も変わってくる。

実際、この効果は出ていて、始めた頃より2割ほど送料は上がっていますが、無駄を省いたことで、同じコストですんでいます。

ただ、悩みは深い。山形県の物流は東京方面に強いのに、それ以外が弱い。名古屋便なんか1年のうちに2回も送料を値上げされたことがあります。名古屋のスーパーに卸しているものなど、ほとんど利益が出ません。

とはいえ、調べると、ここにも工夫の余地はあったのです。1箱30本入りの段ボール箱の送料に比べて、1箱60本入りの段ボール箱の送料は、10%以上も安い。

だから、60本入りの段ボール箱で出荷するように変えてみたのです。ところが、60本ぶんの重みがかかるため、ネギが途中で潰れてしまった。まあ、この問題は、30本詰めたところで1枚、厚紙をはさむだけで解決するのですが、スーパーによっては「1店舗に60本は多すぎる」という反応も多かった。

そこで60本入りはあきらめ、2019年から40本入りを作ったわけです。これで送料は6%減となりました。

いまは30本入りが3割、40本入りが7割という感じになっています。