初代葱師・清水寅氏

結果を残すために「ノルマ」は必要!? ネギ1本1万円で売る男の持論

なぜネギ1本が1万円で売れるのか?(23)
「1本1万円のネギが売れている」そう聞くと驚く人も多いのでは?
『ねぎびとカンパニー』社長・清水寅氏は脱サラ後に農業を始めた中途参入組。しかし今では『ねぎびとカンパニー』のネギは1本1万円の価値が付くほどに…。
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第23回では、ネギ収穫の際の「ノルマ」設定の必要性についてお届けします。>>今までの連載はこちら!

植えた順には育たない

4月に畑へ定植した苗は、早いもので7月下旬には収穫します。

大半は年内、遅いもので翌年1月に出荷しますが、7月からの半年間、毎日、ネギを掘っては出荷し、という作業が続く。畑に植わったネギの面倒を見る一方で、こうした作業も加わるわけです。

2019年は年間4.7万ケースを出荷しました。毎日300~400ケースの段ボール箱を出している感じでしょうか。うちでは2Lなら1ケースに40本入るので、毎日1万本以上のネギを収穫しているイメージです。

真の葱とネギ畑
 

真の葱やモナリザといった贈答用ネギは、毎年11月末の出荷と決まっています。山形県では10月末から気温が急降下する。ネギがそれ以上大きくなることはありませんが、その寒いシーズンに味が乗るのです。味のバランスとしては、もっともおいしい時期が11月末ぐらいだと思います。

これらは全売上の1%にもならない高級ネギだけに、中途半端なものを出して「おいしくない」と言われたのでは本末転倒です。「評判以上においしいね」と言っていただくために、これだけはベストの時期に出したいわけです。

一方、贈答用でない普及版のネギは、育ったものから出していきます。畑を巡回するとき、雑草や病気をチェックする一方で、そろそろ出荷できそうかも見る。2Lぐらいの太さになっていれば、もう収穫できます。

ここで面白いのは、必ずしも植えた順番に出ていくわけでもないこと。4月1日に植えたネギと4月20日に植えたネギ、どちらが早く育つかと聞かれたら、「畑がいいほう」としか答えようがない。20日間の差なんて、環境によっては簡単に取り戻せてしまうのが、植物の面白いところです。