〔PHOTO〕Gettyimages

メルケル首相の「恐怖の予言」でドイツの観光産業が大混乱中

このやり方は逆効果なのでは…

観光産業の悲劇

ドイツは今、ちょうど学校が秋休みの時期で(秋休みの時期は州によって違うため、すでに休みに入っている州と、これから入る州がある)、多くの家族連れが秋の旅行に出ようとしていた。

ところが、最近、コロナ検査で陽性者の数がどんどん増えてきたため、10月7日、いくつかの州政府は、危険地域から来た人に対して、自州でのホテル宿泊を禁止すると発表した。

ドイツでは、10万人あたりの1週間の新規陽性者数が50人を超えた地域を「危険地域」と指定している。危険地域に住んでいる人で、もし、どうしてもホテルに泊まりたければ、チェックイン前の48時間以内のコロナ検査の陰性の証明を提示しなければならないという。

〔PHOTO〕Gettyimages

しかし、突然、そんなことを言われても、皆、困る。48時間ということは、検査は出発日の前々日では不安。しかし、今、検査場はどこも長蛇の列だ。はたしてタイムリーな検査が可能なのか? また、たとえ当日に検査を終えて出発しても、オンラインで送られてきた結果が、万が一陽性ならUターン? あるいは、結果がなかなか送られてこなければ?

さらにまずいことに、いくつかの州がこの規則に大反発し、足並みを揃えなかったため、事態はますます混乱した。危険地域は明日にも変わる可能性がある上、どの州なら泊まれて、どの州ならダメなのかがよくわからなくなってしまったのだ。

一方、ホテル側にとっても急なことで、証明書のない人を宿泊させたことがバレると多額の罰金が科せられるということ以外、詳細は分かっておらず、「私は泊まれますか?」とか、「キャンセル料は?」との問い合わせにも的確に対応できなかったという。当然、多くの人々はトラブルを嫌い、泣く泣く旅行をキャンセルした。

こうなると、一番気の毒なのはホテルだ。観光産業は、春のイースターの掻き入れ時にロックダウンで壊滅状態となったが、夏のあいだにあらゆる防疫措置に投資して頑張ったおかげで少し回復。ようやく秋から本格的に復活と思っていた矢先だったから、落胆は大きい。政治に梯子を外されたような気分ではないか。

 

日本の観光地がGoToキャンペーンで息を吹き返そうとしている間に、ドイツでは真逆の悲劇が起こっている。