〔PHOTO〕iStock

米津、ボカロ人気の背景をなす…「BUMP OF CHICKEN」その本当の魅力

彼らが〈失敗〉した時に見えるもの

いま、何故バンプか

やはり、BUMP OF CHICKENが重要だ。そのような声を聞く機会が多くなった。何故だろうか。

単純に、今や日本の音楽シーンを代表する存在となった米津玄師に、強く影響を与えたバンドだからかもしれない。もしくは、現代の日本発ポップカルチャーを捉える上で、欠かせない存在だからかもしれない。彼らの音楽は日本のマンガやアニメやボーカロイド作品(米津玄師も元々は「ハチ」名義でボカロ作品を発表していた)と、相互影響の関係にある*1。2014年の初音ミクとバンプとのコラボレーションは、そのことを象徴的に表している。

 

あるいは、彼らの表現における「孤独」と「つながり」の両立が、今の生活感性とシンクロしているからかもしれない。コロナ禍以降、自宅で孤立しつつ同時にZOOMで人とつながる関係性が強く意識されるようになったが、BUMP OF CHICKEN(以下「バンプ」と表記)はそもそもそういう音楽を作ってきたバンドである。

リスナー、特に青春期の若いリスナーの孤独感を前提としながら、彼ら一人一人に音と思いを伝えていくその表現は、ひとりぼっちの部屋の中でも感じられる「つながり」となり、多くの怯えた心を癒やしてきただろう。

バンプがバンド音楽だけでなく、ボカロをはじめとするインターネット発の文化に対しても影響力を発揮したのは、孤独な人間につながりを与えるという構造が、ネット環境と相性が良かったからだ。曲の中では孤独感を表現しながら、メンバー4人は幼稚園時代からの幼なじみとして強い絆で結ばれている(少なくともそう見える)という、彼らの逆説的な特徴も見逃しがたい。

その関係性をファンも共有しているが故に、彼らのプライベートな事件がよりシリアスに受け止められるわけだが…。

バンプは1999年に最初の作品を発表して以来、9枚(編集盤を含めれば12枚)のアルバムを世に送り出してきた。丁寧に音楽とメッセージを伝えることで、20年以上にわたり、多くのオーディエンスの心を掴んできた。しかしながら、彼らの表現は「まっすぐ」伝わるわけではない。 彼らの魅力は〈斜め〉に届くこと、その〈斜め〉性にこそある。