〔つきっきりで看病〕
A:ユン・セリがリ・ジョンヒョクをかばって撃たれ、致命傷を負い、生死の境をさまよう。一時危篤状態に。リ・ジョンヒョクが不眠不休で見守る
B:タインが朝食を抜いて、サッカーの試合の最中に倒れて病院に運ばれ、サラワットが病室でつきっきりで見守る

〔相手の体を気遣い…〕
A:北朝鮮に帰る前に、ユン・セリの体を思いやって冷蔵庫にキムチや野菜など食料を大量にストックしておいたリ・ジョンヒョク
B:合宿に行く前、タインの体を気遣い、大量の野菜ジュース(おそらく番組スポンサーの商品)を冷蔵庫にストックしておいたサラワット

〔離れたくない…〕
A:軍事境界線で号泣しながら別れのシーン。何度も抱き合って引き離され、連行されるリ・ジョンヒョク
B:サラワットが合宿に出発する日の朝、キスしようとしたところ、部活の先輩が迎えにきてイラッとするサラワットとタイン

〔相手が寂しくないように…〕
A:北朝鮮と韓国で離ればなれになったあと、リ・ジョンヒョクが韓国にいるあいだに用意していた1年分の日時設定メールが毎日ユン・セリのもとに届く
B:サラワットが2週間の合宿の間「寂しくなったら見て」と言った動画を再生するタイン。「帰ったら好きだと言うよ」といったエモいサラワットのメッセージに泣く

「萌え」に「深刻さ」は要らない

改めて、なんとも対照的な2作です。2人の間を阻むものは、『愛の不時着』では韓国と北朝鮮の間の軍事境界線ですが、『2gether』ではタインの兄が貼った黄色いテープの線です。なぜでしょう、 深刻度が低いほど萌え感に浸れます。

もし『2gether』に銃撃シーンとか心肺蘇生シーン、外国に別離という展開が入ってきたら、視聴者のうち何人かはショックで命を落としてしまうかもしれません。萌えに深刻さが加わると、心臓がもたない恐れがあります。ただでさえ、配信当日は「死ぬ」「無理」という感想がSNSに溢れているので……これ以上の刺激は禁物です。

温度差は違いますが、この2つのドラマには音楽という共通点もあります。ピアニストを目指していたリ・ジョンヒョクと、軽音部でギターを弾くサラワットとタイン(ときどき作曲)。『愛の不時着』のように海外に出ることもなく、『2gether』の舞台は大学とその周辺の範囲におさまっています。海外に行ったりバンドがメジャーデビューしてしまうと互いに遠い存在になってしまう……「2gether」の半径数十キロ圏内の狭い舞台はサンクチュアリとなり、萌えという感情を醸造しているのです。

延々と部活の話で、波風が立っても小さく、平和な空気が保たれている『2gether』。同様に、ピースフルでユルい空気にタイのBLカップルたちが守られ、今後も萌えを供給してくれることを願います。