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『キム・ジヨン』から見た男女の対立

男性から見た『82年生まれ、キム・ジヨン』

韓国の小説『82年生まれ、キム・ジヨン』は、「まるで自分たちの話のようだ」と多くの女性の共感を呼び、韓国で130万部、日本でも21万部というベストセラーになった。映画版は、韓国では2019年10月に公開され、観客動員数が約370万人の大ヒット作となった。日本では10月9日から公開中だ。

『82年生まれ、キム・ジヨン』公式ホームページより
 

主人公のキム・ジヨンは、2歳児を育てる34歳の専業主婦である。娘より息子の価値が高く、女児の堕胎が最も深刻だった1980年代に、ある中流家庭の次女として生まれた。母親がジヨンの次に妊娠した子は生を受けることができなかった。女児だったからだ。

歳の離れた弟は「息子だから」と常に優遇されたのに対し、ジヨンはストーカーに遭えば父親から「お前が不用意に笑顔を見せるせいだ」と叱られた。厳しい受験と就職戦線をくぐり抜けてジヨンは広告代理店に就職するが、出産したことで退職を余儀なくされる。終わりのない家事に育児に疲弊し、精神的に壊れるというストーリーである。

小説に描かれたジヨンの苦悩に対し、若い世代は「やっぱり子どもは産みたくないという気持ちにさせられた」と口を揃えた。あまりに希望がないと思われたのか、結末も含めて映画版はいくつかの点で原作小説と全く異なる展開になっている。

映画版は、ジヨンの不条理な状況に気づいた夫や父親、弟の感情の変化も描いている。監督によれば、男性の観客にも見てもらいたいという配慮からだという。筆者は、韓国で公開直後にこの映画が見たのだが、上映中はあちこちから、むせび泣く声が聞こえてきた。夫婦と思しき男女の客にも目を引かれた。

映画を見たある男性記者は、「育児に専念するために仕事を辞めた自分の妻も、ジヨンのように部屋の隅でひとり、茫然と宙を見つめていたのかと思うとたまらなかった」とコラムに書いたところ、同感だというコメントが次々に寄せられた。