20年前と変わらぬ、多様性のないサイズ感の市場

例えば、自分の体よりサイズの小さい服に出会ったとき「痩せなきゃな」と思ってダイエットを意識したり、「私が太っているのがいけないんだ」と自分の体に嫌悪感を覚えた経験はないだろうか?

私は中学生頃、メンズ服を買っていた。店頭では自分に合うサイズの女性用の服が売っていなかったからだ。当時、仕方なくメンズの服を着ていると、女性としての自分が社会に存在してはいけないような、社会から排除されているような感覚がして悲しく、深く傷付いていた。そして、サイズ問題に困ることなく自由にファッションを楽しめる『痩せた体の女性』に憧れた。そのことは、その後の過度なダイエットと摂食障害に陥った原因のひとつにもなっていった。

一方で、アパレルブランド側の『サイズ展開を狭めなければならない経営的事情』も耳にする。経営側としても、レギュラーサイズ以外のアイテム(プラスサイズはもちろん、ミニマムサイズについても)を取り扱いたい気持ちはあるが、それらを店頭で売ることは生産コストや在庫問題の都合で難しいことも聞いた。

簡単に言うと「売れるものだけを作る」「イレギュラーサイズは、かけたコストほど売れないから作らない」という話で、『日本人女性の平均サイズ』をもとにした商品が作られ続けている。

海外では小さいサイズも大きいサイズも豊富。日本では対応メーカーはまだ少ない。photo/iStock

そんな理由もあって、日本のアパレルメーカーのショップでLサイズ以上の服を売っているところを私はほとんど見たことがない。下着だって店頭で種類が多いのはアンダー75サイズまで。あっても80サイズまでだ。売っていないから買えない。下着の場合、ジャストフィットなサイズ感は重要なので試着したいのだが、店頭にないので買えないという問題も発生している。

『店頭にあるものが小さくて着れない!』という経験をすると、買うのを諦めるか、ネットで大きいサイズのアイテムを探すか、店頭で買えるアイテムのサイズに合わせようとダイエットするなどという道に分かれる。積極的に店頭で買い物するのは、必然的にレギュラーサイズの女性たちだけになっているのではないだろうか。

プラスサイズブランドもあるが、テイストは限られているし、同じショッピングモール内で安易にお店をハシゴして気軽に買うことは難しい。数年前から、日本のアパレル業界でもレギュラーサイズの他にプラスサイズのアイテムを取り扱うブランドは少しずつ増えてきた。しかし、そのほとんども『大きいサイズはWEB限定商品』である。