「脱ハンコ」は「脱中央集権」で国民の信頼を得なければ成功しない

いまだに響く住基ネットの失敗
野口 悠紀雄 プロフィール

住基ネットは無残な失敗に終わった

住民基本台帳ネットワーク(「住基ネット」)は、2002年8月5日に 第1次稼動し、2003年8月25日から本格稼働が始まった。これは、日本における初めての総背番号制だ。

住民基本台帳の情報をデータベース化し、各市町村のデータをネットワークでつないだ。住民基本台帳は、氏名、生年月日、性別、住所などが記載された住民票を編成したもので、住民に関する事務処理の基礎となる。電子証明書が格納された「住基カード」が発行された。

住基ネットには、2002年から毎年130億円が使われ、13年間で2100億円。自治体の初期費用・維持費用も合わせると1兆円近い税金が使われた。

 

それにもかかわらず住基カードは普及せず、カードの交付枚数は710万枚(2015年3月)にとどまった。普及率は5.5%にすぎなかった。

そして、2015年末に更新手続きが終わった。つまり、住基ネットは、無残な失敗に終わったのだ。