経産省、世紀の大失策…無茶苦茶なコロナ対策のせいで、日本は衰退へ

もはや通産省時代の栄光にすがるのみ
森永 卓郎 プロフィール

しかし、長期間、権力を握り続けると、そこには必ず慢心が生まれる。本来、公僕であるはずの今井氏は、国の基本戦略を一手に掌握するようになったのだ。

明確な証拠はないのだが、「不評3点セット」と呼ばれた、アベノマスク、星野源氏の歌に合わせた総理の動画、そして30万円給付は、すべて今井氏の発案だとする見方が、報道関係者のなかでは、強く信じられている。私もそうだと考えている。

30万円の給付政策を発表した岸田文雄元政調会長[Photo by gettyimages]
 

良識ある人物が干された…

古賀茂明氏の名前を覚えているだろうか。2011年に『日本中枢の崩壊』という官僚機構を批判した著書がベストセラーになり、一躍メディアの寵児となった元経済産業省の官僚だ。

実は、古賀氏は、私がシンクタンクで働いていたときのクライアントだった。当時から10年に1人の逸材と呼ばれていて、厳しい仕事の発注をしてきたのだが、私は古賀氏が好きだった。できないことを決して要求しないからだ。頭の悪い官僚は、実現不可能な要求をしてくるのだが、古賀氏は不可能一歩手前をいつも指示してきたのだ。

そんな縁で、先日(新型コロナウイルス感染拡大前)、古賀氏と食事をする機会があったのだが、驚くことに、2019年秋に朝日放送のレギュラーが終了して、いま古賀氏にはテレビ・ラジオのレギュラーが1本もなくなってしまったのだそうだ。

古賀氏の主張は、突飛なものではない。平和主義を掲げ、利権や癒着や腐敗の根絶を主張する。国民の多くが共感することばかりだ。それなのに古賀氏がなぜ干されてしまったのか。私は、政府の痛いところを突いてしまったからだと考えている。たとえば、原発はもう要らないとか、官僚が利権をむさぼっているとか、安倍政権は独裁だといった話は、政府の逆鱗に触れてしまうのだ。