Proには、iPhone 12と違って、「LiDAR」というセンサーが搭載される。
LiDARは、レーザー光を使って物体との距離を素早く計測し、周囲の立体的な構造を把握するのに使われる。3月に発売され、LiDARが先行搭載された「iPad Pro」では、AR(拡張現実)の精度・速度を高めるために使われていた(当時のリポートはこちらの記事を参照していただきたい)。そのときのレビュー動画を再掲しておくが、価値の違いは一目瞭然だ。
iPhone 12 Proでは、この空間把握能力を「撮影時のピント合わせ」に使う。アップルは、暗いところでのピント合わせが6倍速くなる、としている。
実際には、この機能はピント合わせだけにとどまらない可能性を秘めている。
背景ボケをつける「ポートレート撮影」において、背景と人物などの切れ目をより正確に再現できる可能性が高いし、人だけを抜き出して合成する……といったビデオ編集ソフトが出てくる可能性もある。
従来から、「スマホカメラのピント合わせに空間把握系のセンサーを併用する」という流れはあり、日本でもソニーが、「Xperia 1 II」にピント合わせのための距離センサーを搭載していた。
アップルは、AR向けの技術と両睨みでLiDARを使ってきたことになる。
残る「Pro Max」の特徴は?