5Gだけじゃない!iPhone 12に託されたアップルの新戦略

4機種同時投入に込められた深い意味
西田 宗千佳 プロフィール

アップル自身、このモデルを特別なものと位置づけているようで、iPhone 12を発表した後に、3重になったアタッシェケースから取り出すという凝った演出を見せたほどだ。

【写真】「iPhone 12 mini」はアタッシェケースの中から「iPhone 12 mini」はアタッシェケースの中から登場

iPhone 12 miniは、現行製品では最も小さい「iPhone SE(第二世代)」よりもさらに小さい。性能はもちろんずっと向上しているうえに、重量は148gから133gへと軽量化している。

【写真】iPhone 12 miniは小さく、軽いiPhone 12 miniは、iPhone 12はもちろん、現行の「iPhone SE」よりも小さく、軽い。アップルのホームページより

サイズが小さくなったというと、性能が下がったように感じる人もいるかもしれない。しかし、そんなことはまったくない。

ディスプレイサイズが異なる以外、iPhone 12との違いはなく、もちろん5Gにも対応している。5G対応のiPhoneのなかでいちばん価格が安く、サイズもいちばん小さいとなれば、人気が出るのは確実だろう。

注意が必要なのは、4機種が同時に発売されるわけではないことだ。

iPhone 12とiPhone 12 Proは10月16日予約開始、23日発売だが、iPhone 12 miniとiPhone 12 Pro Maxは11月6日から予約を受けつけ、11月13日に発売されるという「2段構え」になっている。

 

アップルが独自戦略を貫く理由

iPhoneについては従来、「同じ世代の同じシリーズ」である場合は、性能をさほど変えない製品を出すという販売戦略を採ってきた。ディスプレイパネルやカメラの性能に違いはあっても、処理速度や通信速度に大きな違いは設けられてこなかった。

今回も同様で、「5G世代のiPhone」としては、カメラやディスプレイに性能差があるものの、4モデルともに基本性能は共通のものとなっている。

【写真】どのモデルも共通して、5Gに最適化した設計になっているどのモデルも共通して、5Gに最適化した設計になっている

他のスマートフォンメーカーは、サイズ違いに機能違い、あるいは、二つ折りのようなギミックがついたものと、より多数のバリエーションを揃えるのが通常となっている。アップルは、競合他社とはずいぶん異なる戦略を描いている。

なぜか?