文/FRaU編集部

「食べる」を主軸にした義父と娘の物語

親子ふたりで暮らしていた家族で、まだ若い親が天国へ逝ってしまう。残された子どもの心を想像するだけでも、胸が苦しくなる。
では、子持ちのシングルマザーが、幸せな再婚をした2年後に天国に旅立ってしまったら……。

そんな、「残された家族」30代後半の義父・太一と高校1年生娘・まひろの物語が、見原由真さん原作、小川錦さん作画の漫画『アスメシ』だ。アスメシ、とはアス飯、つまりアスリートのご飯、のこと。まひろは中学生のときから大注目されている女子高生柔道家で、太一はスポーツ栄養学にも精通している人気の料理ブロガー。血のつながりもなにもない、数年前に家族になったばかりの二人だが、まひろを料理で支えたい太一の頑張りもあり、「食」を通じて心が通っていくのである。10月15日には2巻が刊行されたばかりだ。

(C)見原由真/小川錦/講談社『アスメシ』1巻より

なによりすごいのが、太一が作るご飯。ストレスが溜まっているときになぜじゃがいもがいいのか、体が疲れているときに効果的な食材は何かなどを、太一が料理を作りながら語っていく。義父と娘が「家族」となっていくファミリードラマでもありながら、料理のうんちくを学ぶこともできるグルメ漫画でもあるのだ。

アスリートに寄り添う姿を描きたかった

そもそもアスリートのご飯をテーマにした漫画をなぜ作ろうと思ったのか。原作の見原由真さんはこう語る。

「担当編集さんからスポーツブルの連載コンペのお話を頂き、じゃあどんな題材で行こうかという打合せをする中で、女子カーリング日本代表のもぐもぐタイムや男子サッカー日本代表の長友佑都選手と加藤超也専属シェフの話題が出て、アスリートのためのスポーツ飯というテーマが持ち上がりました。健康はもちろん、パフォーマンスやケガ等にも食べ物の力が影響するというのが面白く、ただの食べ物が誰かに必要とされて『ごはん』になる瞬間、そこにドラマが生まれると思いました。

そこで真っ先に浮かんだのが、実際にプロスポーツ選手の食生活を支える親御さんや奥さまなどご家族の方が取得されているとうかがったことのあったアスリートフードマイスターの資格です。主人公の保志まひろには自分が学生時代にしていたスポーツの一つである柔道をさせることにしたのですが、このキャラクターの生みの親である自分もこの資格をとらなければ!と思ったのがきっかけです」

そう、なんと見原さんはアスリート飯をテーマとした漫画を作るために、自らアスリートフードマイスターの資格まで取得してしまったのである。太一が説得力のある説明をしている秘密はここにあったのだ。

ではアスリートフードマイスターとはどのようなことをするのか。

「スポーツを取り組んでいる人に必要とされる食事とはなにかを学び、さらにそこから競技者個人に合わせた食事を組み立て、パフォーマンスを向上させていくことを目的としたものになります。

競技内容や食生活、生活習慣、競技のスケジュールなどから食事を組み立てるのですが、食事を理論通りに決めつけるのではなく、受け付けない食材があれば代わりになるものを提案したり、食が細ければ食べやすくなる工夫をしたりなど、競技者に寄り添って食という形でサポートをするんです」(見原さん)

妻を失った料理ブロガーの太一が、どのようにして義理の娘のまひろに寄り添っていくのか。1巻2話のテーマは「お弁当」。果たして太一の心はまひろに届くのか――。2巻の発売を記念した1巻2話の無料試し読みで、ぜひご確認いただきたい。

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