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「名門校の教育は意味がない」多くの日本人が知らない「残酷な現実」

教育論を語るのにふさわしいのは一体誰か

メディアに出て教育論を語るのにふさわしい人間は誰だろうか? 以前、「東大合格体験記」「ハーバード大学やシリコンバレーで体験した」といった教育論がなぜ信頼できないのか解説したが、名門校の校長・教員はどうだろうか?

日本のメディアを見ていると、東京の有名公立中学校の校長がそこでの取り組みを語ったり、有名私立の男子中高一貫校の校長が教育に関する持論を語ったり、有名私立大学の総長や学長が教育政策について語っていたりするのを、しばしば見かける。

Wikipediaで経歴を見て、教育学のバックグラウンドがないのに大丈夫なのかと思いつつ記事を拝見すると、教育学で蓄積された知見と相反するムチャクチャなことを語っていて、時間の無駄だったとがっかりさせられることもしばしばである。

とはいえ、有名大学・有名企業へ卒業生を多く送り出している学校の校長なのだから、その持論を多くの人に伝える価値はあるのではないかと取材に行きたくなる気持ちも理解はできる。

しかし、それが日本にどこまで当てはまるのかは不明であるが、名門校や英才教育だからと言って、そこでの教育が素晴らしいとは限らない、ただ単に集まっている生徒の家庭環境が素晴らしいだけだ、という研究結果が続々と出てきている。

これらの研究は、名門校の教育に実は意味がなかったという、トピックそのものも興味深いが、用いられている手法が、因果関係を探る手法の中でも、視覚的に理解しやすいものが主に用いられていて興味深い(後述するが、それに伴う短所もある)。

そこで今回は、これらの研究を視覚的に紹介しつつ、メディアはどこの学校に話を聞きに行くべきなのかも視覚的に紹介する。

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「名門校」という幻想を検証する

イギリス・アメリカ・インドなどで、名門校にギリギリで合格しようが不合格になろうがその後の学力的には関係ない、すなわち、その教育が素晴らしいとは限らないことを明らかにした研究が続々と出てきている。

名門校の教育が素晴らしいものかどうか、単純に名門校と非名門校の卒業生のその後を比較すれば良いではないかと思うかもしれない。実際に、メディアでよく見る大学〇〇ランキング(○○には平均年収などが入る)の類はそのような浅はかな考えに基づいて作られている。