ネギ1本1万円で売る男が、ホウレンソウを育ててたどり着いた“闘い方”

なぜネギ1本が1万円で売れるのか?(16)
清水 寅 プロフィール

ホウレンソウは土が合わないと育たない

初めてホウレンソウを育てたのは4年目のこと。ネギ栽培のあとに植えるといいと言われる作物なので、かなり早くから挑戦していた。しかし、最初は失敗しまくりました。非常にデリケートな作物で、土が合わないとうまく育たないのです。

※画像はイメージです。Photo by iStock

日本の土壌はたいてい酸性にかたむいています。雨が多いためアルカリ分(石灰)が流されてしまうからです。天童市だとpH5ぐらいが普通です。ネギは中性の土が好きなので、それを6~6.5ぐらいにもっていく。ホウレンソウも中性の土が好きなのですが、さらにアルカリ性寄りでないと育たない。pH6.5~7ぐらいです。

一般的に、酸性の土をアルカリ性寄りにもっていきたい場合、消石灰を入れます。どれだけの量を入れるかで、pHの調整をするわけです。しかし、根っこが地表に向かってクルンと上向くネギと違い、ホウレンソウの根っこは垂直に下へ下へと伸びていきます。つまり、地表の少し下だけ消石灰を入れたからといって、間に合わない。根っこの先端は、必ず酸性の土に接してしまいます。

 

だから、すぐにはホウレンソウ向きの畑にできないのです。少しずつ少しずつ土の質を改善していくしかありません。うちは消石灰ではなくカキ殻の石灰を使っていますが、それが徐々に地下深くへ沈んでいくのを待つ。だいたい3年目ぐらいには、ちょうどいいpHになりました。

ホウレンソウに合う畑も徐々にわかってきました。いま65ヵ所にある畑のうち、5ヵ所ぐらいが合うとわかった。特に最上川の河川敷にある畑は、河川の氾濫によって流れてきた泥が堆積しているので、ミネラルが豊富。特にいいホウレンソウが育ちます。

もちろん、ミネラル分は、自分で足してもいい。こうして挑戦3年目頃から、自然と立派なものが育つようになったわけです。

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