初代葱師・清水寅氏

ネギ1本1万円で売る男が、ホウレンソウを育ててたどり着いた“闘い方”

なぜネギ1本が1万円で売れるのか?(16)
「1本1万円のネギが売れている」そう聞くと驚く人も多いのでは?
『ねぎびとカンパニー』社長・清水寅氏は脱サラ後に農業を始めた中途参入組。しかし今では『ねぎびとカンパニー』のネギは1本1万円の価値が付くほどに…。
注目書籍『なぜネギ1本が1万円で売れるのか?』から毎日連載企画!
第16回では、寅氏が育てるホウレンソウの話をお届けします。>>今までの連載はこちら!

1株600円のホウレンソウ

栽培も営業もうまくいき、ネギ以外でいまでも作り続けている唯一の作物がホウレンソウです。ただし、春先の現金収入を確保するという当初の目的とはかなりずれ、毎年、冬場だけに出荷しています。

11月下旬から12月中旬にかけて、ネットやスーパーで販売している「キスよりあまいほうれん草」がそれです。有名レストランにも卸しています。

「キスよりあまいほうれん草」
 

1株600円というブランド品ですが、1株といっても、普通のホウレンソウの30倍もの重量があります。一般的なホウレンソウは、シーズンにもよりますが、だいたい10株ぐらい入って、200グラム198円程度です。うちのは500~600グラムの1株だけ入って600円(自社のネット販売)。たしかに1株当たりだと30倍高いのですが、グラム当たりだと、そんなに変わらない。

これで味が特別なものだったら、消費者は高いとは感じません。真の葱やモナリザみたいに贈答用としてではなく、普段づかいの野菜にできる。まあ、スーパーでは「大きすぎて棚におさまりません」と嫌がられるケースもあるのですが。