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自信を持ちすぎた中国の「悲しき末路」…大日本帝国の姿と重なって見える

少しは日本の教訓に学べ

「ジャックと豆の木」の中国

中国は、2008年のリーマンショックの後、世界経済を牽引した。

かつて1970年代、日本や西ドイツが世界経済の機関車ともてはやされ、石油ショック後の世界経済を牽引し、先進工業民主主義国(G7)の首脳会合に呼ばれるようになった。敗戦国であった日本が復権した。

同様に、リーマンショックに苦しむ米国は、08年11月、世界20カ国の経済大国を集めた首脳会合(G20)を開催した。そこでは主役は中国であった。国連安保理の常任理事国(P5)の一員であった中国は、こうして先進工業国家の一員としても迎えられた。

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それから約10年、中国経済は更に成長を続けた。

工業化初期の人口ボーナスも、生産年齢人口が減少に転じた2010年台中頃にはピークアウトし、2桁の高度成長が終わり、「新常態」と言われる中成長の時代に入ったが、それでも中国の成長は止まらない。

そのあまりの成長の速さは、「ジャックと豆の木」を彷彿とさせる。誰も気づかない間に、中国の背丈は天を衝く高さとなった。今や、堂々たる世界第2の経済大国であり、経済規模は、日本の3倍、米国の7割に迫る勢いである。

一方、中国の軍事費は2桁成長が止まらない。すでに名目で20兆円の規模となり、日本、英国、フランス、ドイツを合わせた防衛費を上回るようになった。アジアで最大の軍事国家であり、米国を除き、誰も単独で中国と対峙することは出来ないほど強くなった。

「これまでの中国と思うなよ」。中国政府高官から、本音が漏れるようになった。力への過信と、拡張主義的なナショナリズムが噴き出すようになった。

ヒマラヤ山中の国境付近で人民解放軍がインド軍兵士を撲殺し、南シナ海では西沙諸島でベトナムの漁船を大量に拿捕し、ヴァンガード礁ではベトナムの石油開発を実力で阻止し、島々を軍事基地化し、フィリピンのスカボロー礁を奪い、インドネシアのナツナ諸島での漁業を妨害している。

 

そして、東シナ海では、中国海軍の指揮下に入った「海警」(海上警察)が、尖閣諸島に恒常的に押しかけてくるようになった。警察力を用いているとはいえ、力による一方的な現状変更は、体の良い侵略行為である。

その姿が、力を過信して昭和前期に大きく国策を誤り、無様に崩落した大日本帝国の姿と重なって見える。

それは、私だけだろうか。