大激論続く「学術会議問題」はどう「終わる」のか…変な対立の末路

菅政権との無用な対立を回避せよ
山下 祐介 プロフィール

6名削除の基準はおそらく2017年の時のものに違いない。2017年に一度やってしまったので、担当者としてはそのままとはいかず、2017年を合法化するためにも2020年も同様に一部削除せざるを得なかったということもあったのかもしれない。

ともかく察するに、何か2017年の作動の残存が残っていて、官邸はその名簿から6名を削ってしまった。2017年に生じたことの慣性として、この2020年の日本学術会議の委員候補者問題が生じているのではないかと考えられるわけだ。

もしそうなら、これは単なる「勢い」にすぎない。それも安倍政権時代の――。

そこには現在の官邸の強い意図はない。意図が見られないのは、2017年の時のように、官邸から学術会議に定員よりも多い名簿の提出をあらかじめ求めていなかったことにもよく現れている。

いま菅首相が日本学術会議と対立する必要は全くない。政権は始まったばかり。最初から無闇に敵を増やす必要など全くない。日本学術会議は敵に回して決して面白いものではない。

日本学術会議庁舎(Rs1421/CC BY-SA 3.0)
 

「削除前の名簿を見ていない」の意味

その点で、先週末の10月9日に、菅首相が、推薦名簿から6人を除外する際に、この6名を含めた最初の名簿を見ていないと発言していることが重要である。

首相本人は名簿を見ておらず、6名が除外されたのはその前だとしたら、菅首相本人にこの6名を除外する意図は本来なかったということになる。すべては官僚たちのお膳立てにすぎぬと。

ではそれで問題はないのかといえば、十分に問題は残る。

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