大激論続く「学術会議問題」はどう「終わる」のか…変な対立の末路

菅政権との無用な対立を回避せよ
山下 祐介 プロフィール

そう。「圧」が必要だったのである。

7年8ヵ月つづいた安倍政権は決して安定的な政権であったのではない。とくに後半は、森友加計問題に桜を見る会など、様々な不安定要素を抱え、それを強引に隠滅することで維持されてきた政権だった。

もっとも当初は、安倍首相悲願の憲法改正という目的があった。

が、次第に、外部ストレスに過度に弱い安倍首相を守ろうと、批判する勢力の火消しに追われた官邸は、過剰なまでに世論やマスコミの反応を恐れ、批判する勢力をあの手この手で牽制したり圧力をかけたりする行動に出ていたようだ。

その背後には、ただ官邸だけを気にして、本当の意味で国民に必要な政策形成へと向かわない、異様な官邸官僚の姿があった。それは安倍晋三首相を王様のように――本来、安倍首相が敬愛し、奉っているはずの天皇陛下を差しおいて、まさに安倍国王のように――その権力を守ろうとするおぞましい姿だったといえる。

〔PHOTO〕gettyimages
 

2017年の推薦名簿水増しも、そうした中で官邸官僚による学術会議への牽制として行われたものだろう。

だがその安倍政権も過去のものとなった。2020年9月23日、菅義偉政権が発足した。無用な圧は必要なくなった。

今回の2020年の学術会議会員の改選でも、官邸側からは何の要請もなかったという。

そこで学術会議では従来通り(2017年以前)に戻って定員数で名簿を提出した。

そもそも推薦名簿水増しというやり方そのものが違法性のそしりを免れないものだったから、この適法化への復元は当然であろう。

ところがそこで官邸側が6名を削ってきたということらしい。

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