大激論続く「学術会議問題」はどう「終わる」のか…変な対立の末路

菅政権との無用な対立を回避せよ
山下 祐介 プロフィール

ところで、この"研究者の納得"という問題は、前者(1)の問題(学術会議による政府批判や意見にたいし、政府の側にこれを抑制しようという力が働いているのか否か)にもつながる。

だが、これも考えてみよう。

今このタイミングで科学研究者集団に意見の抑制を求めようとするどんな案件があるのだろうか。

むしろこの2020年の前半は、コロナ禍に7月水害と、専門家や研究者の協力なしには政策立案さえ不可能な案件がつづいてきた。いまこの時点で学術に対し、意見を封殺する力が働くなど理解しがたい。

ではいったいなぜこんな事態になったのだろうか。

 

安倍政権下からの慣性で起きた事態

そのヒントになりそうなものが、2017年に起きている。どうもこのことが関係ありそうだ。

新聞各社の報道によれば、2017年の学術会議会員交代のさい、推薦候補105人に対して、それより多い数の候補の名簿を官邸側が学術会議に要請していたのだという。

先述の通り、筆者自身もこの間、日本学術会議の特任連携会員や連携会員として様々な議論に関わってきた者である。この頃の学術会議内での議論を振り返って、この報道はなんとなく「ああそうだったのか」と腑に落ちる面があった。

ともかく安倍政権時代は、様々な忖度と、常識を越えた政権へのおもねりが横行した。

安倍一強と言われた過剰権力集中の力学に官邸も霞ヶ関も振り回され、当の首相さえ知らないところでおかしな決定が行われてきたことを私たちはよく知っている。

学術会議においても、政権からの「圧」がかかっていたということのようであり、筆者自身にも当時は感じられたものだ。

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