# 鉄道

鉄道業界の衰退が止まらない…浮き彫りになった「3つの理由」

「鉄道の日」に、あえて言おう
川辺 謙一 プロフィール

「想定」はされていたのか

それゆえ一部の鉄道事業者は、利用状況に応じて列車の減便を実施した。また、大都市圏では終電の繰り上げを検討する鉄道事業者も出てきた。JR西日本は、その目的を「メンテナンス作業従事者の労働環境改善」と明言している(本年9月17日のプレスリリース)。もともと必要だった働き方改革を、コロナ禍で利用者が減ったのを機に進めた結果と言える。

つまり日本の鉄道は、コロナ前から「他交通の発達」と「人口減少」というダブルパンチを受け、衰退の一途をたどっていたときに、突然「コロナ禍」が襲いかかり、コロナ前から想定されていた状況が前倒しで訪れたのだ。

 

JR西日本の長谷川一明社長は、日経ビジネス(本年9月18日付)の取材に対して今の状況を「10年後に想定していた状況が一気に来た感覚です」と答えている。

コロナ禍はいつ終息するかわからない。また、コロナ禍を機に人々の働き方や生活様式が大きく変わり、そのまま定着しつつあることをふまえると、鉄道の利用状況が今後昨年と同レベルに回復する可能性は低いと考えられる。

以上、交通の歴史をたどりながら、鉄道が衰退した3つの理由を述べてきた。記念すべき「鉄道の日」にこんな暗い話をするなというご指摘もあるだろう。ただ、コロナ禍が終息したとしても、日本では今後も人口は減り、道路整備は進み、鉄道衰退がさらに進行する。それは、もはや避けられないことなのだ。

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