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中国経済が「V字回復」だって…? 習近平がまきちらす「大嘘」と「ヤバい現実」

福島 香織 プロフィール

中国経済が「V字回復」って、本当か…?

こうした統計などから、中国メディアはおおむね、中国経済は新型コロナ肺炎からV字回復を遂げたと報じている。

中国基金報は、「少なからぬ外国メディアが中国の意外な経済回復速度に驚き、羨ましがっている」と論評。実際、米国ではいまだ新型コロナ肺炎で毎日数百人の死者がでており、トランプ大統領まで感染している状況だ。BBCも「中国がいまや世界で最も活気あふれる旅行市場」と報じており、中国メディアはこれを嬉々として引用していた。

だが本当に中国経済は奇跡のV字回復を果たしえたのだろうか。一部の中国経済学者らは、こうした報道について少々厳しい視点で言及していた。

 

山東大学卒の金融学者、司令氏が米資本放送局のラジオ・フリーアジアにこんなコメントを寄せている。

「中国の公式統計はいずれも、昨年同期比で観光客、観光収入とも大きく減少している。決して中国経済の現状は満足いくものではないはずだ」

正確にいえば、中国国民は海外旅行できない分、国内旅行の総数がある程度増えるのは当然だ、ということだ。国内旅行延べ人数は前年同期比7~8割回復した、というのは、前年同期比2~3割減であり、観光収入3割減。この数字は、むしろ厳しくとらえるべきではないか、というわけだ。

中国の公式報道をよく見れば、昨年同期や今年の五月連休と比較して、この分野が何十%増、というスタイルで報じているが、そういう局所のデータは、中国市場の新たなポテンシャルをはかる参考になるものの、中国経済の好調をそのまま反映しているとは言えまい。

しかも、共産党の宣伝機関として厳しい制約を受けている中国メディアは、中国の現状について批判的な報道ができない。