コロナ時代に大ヒットした『地球の歩き方 東京』、その「新しさの正体」

東側に焦点、「暗黙のルール」も紹介
岡本 亮輔 プロフィール

一方、『地球の歩き方 東京』では、表紙が浅草寺の雷門であることに象徴されるように、東京の東側に焦点をあてている。

中野や吉祥寺は、新宿・新大久保と同じエリアに一括りにされ、三鷹の太宰治文学サロン、吉祥寺のハモニカ横町、中野ブロードウェイが同じページでごく簡単に紹介されているだけであり、こうした点には、東京の西側に愛着のある人は不満かもしれない。

 

だが、外国人目線で東京という街を根本から説明しようとする時、自ずと江戸以来の歴史が風景に刻み込まれた東側にフォーカスせざるを得ない。

同書冒頭では「東京でしたいこと10」が特集され、「文化に触れる大江戸体験」、「東京の酒舗&地ビールを訪ねて」、「東京ならではの文化財めぐり」、「東京発祥のグルメめぐり」、「老舗の名品を手に入れる」などがリストアップされている。

新宿の都庁や渋谷のスクランブル交差点のように視覚的に伝わりやすいグローバルな側面ではなく、東京のローカルな側面が注目されている。

〔PHOTO〕gettyimages

また各エリアについて、必ずと言って良いほど神社仏閣が紹介されているのも特徴だ。

巻頭特集では、「東京最強パワースポット5」として明治神宮と清正井、東京大神宮などのメジャーどころとともに、東京タワーに鎮座するタワー大神宮とその本社・幸(さいわい)稲荷神社が取り上げられている。

小特集では、2時間足らずで回れる日本最速の巡礼として、「日本橋七福神めぐり」まで地図入りで詳しく紹介されている。