Photo by gettyimages

北朝鮮が異例の「真夜中の軍事パレード」で世界に伝えようとしたこと

金正恩が込めたメッセージ

「超大型ICBM」の登場が示すこと

10月10日、北朝鮮は朝鮮労働党創建75周年を迎えた。記念の軍事パレードは同日午前零時から始まったが、朝鮮中央テレビは午後7時になって、ようやくパレードの模様を録画放送した。パレードの放送は約2時間続き、新型の潜水艦発射型弾道ミサイル(SLBM)と、超大型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)も登場した。

北朝鮮は今、11月の米大統領選を経て、来年1月の第8回党大会で新しい外交戦略を打ち出す過程にある。過去のパレードでは、国内に向けては金正恩朝鮮労働党委員長のカリスマを、国外に向けては国民の結束する姿を、それぞれアピールしてきた。

今回の「真夜中のパレード」で、北朝鮮は何を訴えたかったのだろうか。

Photo by gettyimages
 

まず、最初に意識しなければならないのは、軍事パレードはあくまで国威発揚と外交的な取引を意識した北朝鮮からのメッセージであり、登場した兵器が全て使用可能とは限らないということだ。

2012年の金日成(キム・イルソン)主席生誕100周年の際に登場したICBM「火星(ファソン)13」(米軍のコードネームはKN08)や、17年4月の生誕105周年の際に登場した、キャニスターに収納された固体燃料型ICBMとみられる機体は、現在に至るまで発射されたことはなく、今回のパレードにも登場しなかった。

そのうえで、今回のパレードの最後に登場したのが、超大型の新型ICBMだった。

直前には、2017年11月に発射したICBM「火星15」(KN22、射程1万3000km)が片側9輪の移動発射台に搭載され登場した。これに対し、新型ICBMは片側11輪の移動発射台に搭載され、長さも胴体の周囲も火星15より大型になっていた。

国際社会では片側8輪の移動発射台が最大だ。北朝鮮は従来、移動発射台を独自開発する技術がないとされ、中国から「森林伐採で使う」などの名目で移動発射台を輸入していた。火星15が登場した際、独自の大型移動発射台を公開して世界を驚かせたが、今回はさらに巨大な発射台を見せつけた。