日本の凶悪バラバラ殺人犯が南アフリカで「17年も野放し」だったワケ

警察組織の腐敗の実態
時任 兼作 プロフィール

殺人犯と知りつつ見逃した

南アフリカ警察の消極的な姿勢はその後も変わらず、紙谷容疑者の今回の出頭も捜査当局の働きかけではなく当人が自発的に行ったものだという。捜査関係者が続ける。

「中古車販売業が行き詰まり、借りていた家の大家とトラブルもあったうえ、コロナに感染した疑いが出てきた。紙谷が出頭してきたのはこうした理由があったからとみられる。

出頭先は在南アフリカ日本大使館で、南アフリカ警察はまったく関与しなかった。紙谷は大使館員に対して殺人や指名手配について認めたうえで、『コロナで仕事も金もなくなった』『同居人がコロナに感染した』などと繰り返し、『日本に帰りたい』としきりと訴えたと聞いている」

 

大使館は外務省本省経由で警察庁、警視庁と相談のうえ、日本に送還することにしたというが、コロナが蔓延する南アフリカは現在に至るまでロックダウン(都市封鎖)状態にあり、国際線の発着が原則禁止されていたため、紙谷容疑者を8月末まで大使館付近のホテルに滞在させたのち、9月1日、特別臨時便を手配。3日に帰国させた。同日、警視庁は逮捕監禁容疑で逮捕した。今後、殺人と死体損壊、死体遺棄容疑を追及するという。

それにしても、なぜこんなことになったのか。どうして17年もの間、自由気ままに日々暮らすことができたのだろうか。もともと南アフリカの警察官のモラルが低いことは有名だが、まさか殺人犯の存在を知りつつ長年見逃し続けるとは、驚くほかない。