菅政権の「残念すぎる現実」がいよいよ見えてきた…!

その政治手法と「規制改革」の実態
井戸 まさえ プロフィール

言うまでもなく婚姻は、憲法第24条で「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」とあるが、実のところ婚姻が成立するためには民法第739条「戸籍法の定めるところによりこれを届け出ることによつて、その効力を生ずる」とあり、婚姻届の提出、受理が要件となっている。そして婚姻届には「両性の合意」以外の必須記載事項がある。「証人」×2名の署名、押印だ。

身分の変動を伴う重要な届出において、「両性の合意のみ」をどう証明するかが実は問題で、その正確性を担保するためにも、当事者の意思を証明する「証人」が必要と考えられたのだ。この「証人」は、保証人的役割等を負うわけではない。単に意思を持っていたことの確認だけだが、証人がいない限り婚姻届を出しても受理されない。

一方で、たとえば出生届や死亡届には「証人」は必要とされない。なぜならば、「出生届」には出生証明書、「死亡届」には死亡診断書、「入籍届」には許可の謄本及び確定証明書、その他「国籍取得届」「帰化届」「名の変更届」等、身分事項に関わる届出は、事実を証明する書類を添付しなければ受理されない仕組みになっている。

当事者の「意思のみ」が成立要件となっている「婚姻届」「離婚届」、さらに「養子縁組届」「養子縁組届(協議)」の4届出には、こうした意思が事実か否かを証明する書類が求めにくいからこそ「証人」が必要とされているのである。

ただ、この「証人」×2人は、婚姻、離婚等をする夫婦とどんな関係でもいい。親であろうが友人だろうが、極端な話をすれば通りすがりの人でも誰でもかまわない。国籍も問われない。外国人の場合戸籍もないから本籍地も記入できないのでその欄には国籍を書き、またハンコを持っているとも限らないので、署名のみで受け付けられる。

 

ちなみに、こうした届出自体も役所に行って口頭で行うことも可能である。つまり「脱ハンコ」での届出はすでに可能になっているということだ。

ついでに言えば、署名は自筆ではければならないとされるが、ハンコは100円ショップで買った三文判で十分。役所に届けた実印ではないので、「証人」の存在が架空であったとしても書類は受け付けられる。役所は「形式的審査権」しか持たないため、いちいちその人が存在するか否かを調べるわけでもない。

このように、かなり杜撰な管理がされているのが実態なのだ。「ハンコ」の意味どころか、「証人」の必要性も問うべきではないか。